“本物主義”時代の幸せな生き方
このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
『「NO(ノー)」と言える日本』(光文社刊)という書物がベストセラーになったのは、1989年のことでした。日本の経済発展の気運の中、ソニーの会長である盛田昭夫氏と政治家である石原慎太郎氏によって共同執筆されたエッセイです。
発売当時、ちょうど石原氏が総裁選に奔走していたこともあり、国民の注意を惹くための道具ではないかと揶揄される一面もありました。かいつまんでその主張をまとめますと、アメリカのビジネス手法を徹底的に批判し、日本がビジネスから国際問題にいたるまで、他国に依存しない強い態度を取るべきだ……ということです。
あれから20年以上の月日が過ぎ、時代も大きく変化してきたように思います。
たしかに、ビジネスの現場においては、「YES」「NO」がはっきりしない態度に対して、困惑を生むこともあります。
しかし、「YES」「NO」、「白」「黒」、「勝ち、負け」をはっきりつけることが、私たちのメンタルをそもそも必要のない波風に激しくさらしてしまっているようにも思えてなりません。
そこには、自身のメリットにしか目がいかない、非常にエゴイスティックな観念が働いていると感じられるからです。判断することこそが、ビジネスの基本……。そのような一元的な基準を、どうも長い時間を経て与えられ続けてきたように思います。
「どっちでもいい」
「どちらも正解」
こういう価値判断があってもよいと思います。
「双方にとって、よいこと」
これが、どうも正解(?)のように思えてならないのです。
そのためには、「YES」「NO」、「白」「黒」、「勝ち」「負け」をつけることよりも、「按排(あんばい)」を大事にできたらと思うのです。
ところで、お釈迦様が説かれたのは、「中道」という教えでした。長い間、苦行を続けてこられたお釈迦様も、あるときそれが悟りへの道ではないことに気づかれたのだそうです。そこで、苦行を捨て、中道を修行の中心としていかれました。
曹洞宗徳雄山建功寺住職の枡野俊明先生が書かれた『「ゆるす」という禅の生き方』(水王舎刊)に、そのお釈迦様の言葉がありました。
「中道をはっきりと悟った。これは人の眼を開かせ、理解を生じさせ、心の静けさ、すぐれた智慧、正しい悟り、涅槃(ねはん)のために役立つものである」
「中道」とは、読んで字のごとく、右にも左にも偏らない真ん中の道のこと。つまり、白黒をはっきりつけないということです。
枡野先生によれば、白黒をはっきりつけると、必ずや争いごとが起きると言います。もちろん、判断する側にも大きなストレスが生じます。白黒をつけると、勝ち負けが生まれることも多々あります。ときに、怒りや恨みを招くこともあるでしょう。
ならば、争いを避け、互いにとってよい按排を選択することのほうが幸せだと思います。
新しい時代は、共生の時代です。
このことは、舩井幸雄だけでなく、多くの先達が伝えてきました。
共生の時代には、「YES」「NO」、「白」「黒」、「勝ち」「負け」は、どうも似つかわしくないように思えてなりません。
あえて、はっきりさせないでおく……。
それこそが、枡野先生もおっしゃるように、「思いやり」を生み、育むのではないでしょうか? その先に、「思いやり」にあふれた本物の時代がやってくるように思えてなりません。
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1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。
2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。
講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。