“本物主義”時代の幸せな生き方
このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。
日本人の若者が、もっとも将来に対して意欲をもっている年齢は、18歳あたりだと言います。さらに、そこから大学の4年間を経て、22〜23歳になって就職するころになると、その意欲は大きく下がっていくのだそうです。
要するに、いまの若者たちは、「大学に入学することが人生の大きな目標であって、それが達成されると、途端に先が見えなくなってしまう」ということを示しています。
いまに始まったことではないとも思えますが、これからの未来に起こり得ることを考えると、由々しき問題だと言わざるを得ません。
人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる!
そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授です。そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来-コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、昨今、世界中で話題となっています。
オズボーン氏は、言います。
「コンピューターの技術革新がすさまじい勢いで進む中で、これまで人間にしかできないと思われていた仕事がロボットなどの機械に代わられようとしています。たとえば、『Google Car』に代表されるような無人で走る自動運転車は、これから世界中に行き渡ります。そうなれば、タクシーやトラックの運転手は仕事を失うのです。これはほんの一例で、機械によって代わられる人間の仕事は非常に多岐にわたります。私は、米国労働省のデータに基づいて、702の職種が今後どれだけコンピューター技術によって自動化されるかを分析しました。その結果、今後10〜20年程度で、米国の総雇用者の約47%の仕事が自動化されるリスクが高いという結論に至ったのです」
この論文のすごいところは、702にわたる職種すべてについて、コンピューターに取って代わられる確率が計算されているところです。本当におそろしくなってしまいます。 つまり、これから「消える職業」「なくなる仕事」が具体的に示されてしまった……ということです。
ちなみに、ある雑誌に掲載されていた「機械が奪う職業ランキング(米国)」の上位15位までをあげてみると、次のとおりとなります。
1.小売店販売員
2.会計士
3.一般事務員
4.セールスマン
5.一般秘書
6.飲食カウンター接客係
7.商店レジ打ち係や切符販売員
8.箱詰め積み降ろしなどの作業員
9.帳簿係などの金融取引記録保全員
10.大型トラック・ローリー車の運転手
11.コールセンター案内係
12.乗用車・タクシー・バンの運転手
13.中央官庁職員など上級公務員
14.調理人(料理人の下で働く人)
15.ビル管理人
これらは、「消える、なくなる」可能性の高い主な仕事。つまり、いずれもコンピューターに代わられる確率は90%以上という驚くべき数字が弾きだされています。
これまでロボットはルーチン的な作業しかできないとされてきましたが、ここ10年間におけるロボットの能力向上は目覚ましいものがあるようです。ロボットが完全に人間の知性を手に入れるにはあと少なくとも50年はかかると言われていますが、その過程で、多くの仕事が機械の脅威にさらされることが示唆されているということです。
ソフトバンクから、人間相手に会話をする世界初の感情認識パーソナルロボット『Pepper』が発表され、いま私たちは、店頭で「おもちゃ」のように扱って遊んでいますが、どんどん熾烈化する開発競争のなかで、「本当に笑っていられない」状況は、もうすぐ先にあると考えたほうがよさそうです。
ビッグデータの技術革新も目覚ましいわけですが、これまで不可能だった莫大な量のデータをコンピューターが処理できるようになった結果、非ルーチン作業だと思われていた仕事をルーチン化することが可能になりつつあるのです。
たとえば、医療診断であったり、弁護士が行う契約や特許に関する仕事は、すでに高度なコンピューターによって行われるようになっているという事実もあります。警官や教員の人数だって減らせるかもしれないという試算もあるくらいです。
そんななか、これからの未来を真剣に考えて、対処していくために、どうすればよいかを考えなければなりません。
アメリカでは、ベンチャーマインドがどんどん高まり、年々「新しい職種」が生まれていると聞いたことがあります。その一方、日本ではなかなかそういう機運は生まれにくいとされています。
未来を担う次の世代のことを考えると、もう「どこに就職するか?」という時代は終わりつつあることを、しっかり伝えていく必要があるということです。「どこに就職するか?」ではなくて、「自身のどのような特性を活用して、どんな人たちのために、どのように役に立つことができるか?」を考えるということですね。
大学に入ったら、それで安心……。
とんでもない!
その先です。その先!
仕事がなくなっていくなら、「じゃあ、仕事を創り出していけばよいじゃないか!」と考えられる若者をどれだけ生み出していけるか?
これが、本物時代を迎える一歩手前に、私たちがやらなければならない「仕事」だと、痛感するのです。
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1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。
2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。
講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。