“本物主義”時代の幸せな生き方

このページは、(株)本物研究所と(株)船井メディア 社長の佐野浩一によるコラムページです。
佐野浩一の義理の父でもある舩井幸雄は、1980年代のバブルの真っただ中の頃からすでに、「競争主体で矛盾のありすぎる資本主義はもうもたない」、そして「資本主義にとってかわるのは『本物主義』ではないか」と考えており、2003年に(株)本物研究所をつくりました。
その(株)本物研究所の設立当初から社長として、佐野は常に、“本物”や、人々の“本当の幸せ”について真剣に考えてきました。
そんな佐野が、いよいよ間近に迫ってきたと思われる「本物主義」時代に向け、私たちはどう生きていけばいいのか、また「幸せに生きる」とはどういうことだろう? ということを先駆けて模索し、皆さまと一緒に考えていきたいと思います。

2018.01.01(第47回)
エゴからエヴァへ

 新年、あけましておめでとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 さて、NPO法人・ネットワーク「地球村」代表の高木善之先生のお話をはじめてうかがったのは、いまからもう17年前のことでした。当時お世話になっていた株式会社船井総合研究所の全社研修会で講師としていらっしゃっていました。もちろん、舩井幸雄もその場にいました。「いま、一番聞いてほしいことを、高木さんが話してくれます」とコメントし、舩井は私たちと一緒に着席し、二時間余りのお話を聴いていたことを覚えています。
 そして、講演を聴いたあと、「これからの時代は、エゴからエヴァへと思考と行動を変えなければならない」と、強く私たちに語ってくれたのでした。

 高木先生が書かれた名著、『新版 オーケストラ指揮法』(2007年、総合法令出版刊)という一冊があります。もう何度読ませていただいたかわかりません。ここには、これから新たな世界や社会をつくっていくために、大事なこと、行動のための示唆が満載です。

(引用開始)
 15年前のある日のことです(1981年4月27日午後3時30分)。
 その日、私はオートバイで国道1号線を走っていました。
 目の前に突然自動車が現れ、私はとっさにブレーキをかけました。
 国道1号線ですから当然、分離帯もあります。クルマがこちら向きに走ってくることはありえないはずです。
 「えっ、まさか!? そんなわけない!」
 一瞬、悪夢だと思いました。夢では、現実にはありえないことが起こります。特にクルマを運転している人など、夢の中で恐い体験をするものです。
 私は「これは夢だ!」と思いました。
 とりあえずブレークはかけましたが、もちろん、とても間に合う距離ではなく車はスローモーションのようにゆっくりと接近。そしてガシャーン!
 !
 ン? 痛くない……これはやはり夢なんだ……

 自分の身体が吹っ飛んでいく、オートバイが転がっていく……
 しかし、やはり痛くない……これは夢なんだ……

 人々の叫び………… 救急車のサイレン………… 手術室の無影灯…………

 そしてさまざまな映像…………
 光が見える…………
 光が強まる…………
 光に包まれる…………
 光、光、光、光、光、光、光…………

 長い時間の経過…………
 さまざまな体験………… さまざまな映像…………

 さまざまな体験………… さまざまな映像…………

 長い時間の経過…………

 そして消滅…………

 そして無…………
 …………
 ………

 長い時間のあと、目が覚めた……
 身悶えする痛み。声も出ないほどの強烈な痛み……
 でも身体は動かない……
 ベッドに固定され、酸素マスクや点滴、排泄のためのパイプがつながれている。オシロスコープもつながれている……
 全身燃えるような痛み。どこが痛いのかわからない。とにかく全身痛い!
 身体が熱くてたまらない。苦しい、身悶えするほどの痛み。
 でも身体は動かない!
 身悶えする痛みと苦しさ! 死の恐怖に似た叫び!
(引用終了)

 このときに見られた“光”、“映像”こそが、未来の地球の姿。
 もはや、この地球には住めなくなっている……。
 このままでいくと、地球の未来も子どもたちの未来もない!
 そんな驚愕の地球の未来を「見て」こられたのです。

 頚骨と骨盤骨折、手首は粉砕骨折という瀕死の状態で、病院の医師からも「これは助からないだろう」と言われました。しかし懸命な治療により、なんとか命だけは助かることができました。一命はとりとめたものの、本当の悪夢はそこから始まりました。ベッドから起き上がることも、体を動かすこともできません。大好きな音楽、高木先生はピアノと指揮と声楽をやられていたのですが、そのすべてをあきらめるどころか、社会復帰すら難しいと宣告されてしまったのです。目の前は真っ暗、自分の将来の夢や希望、可能性のすべてが閉ざされてしまいました。
 初めは「治りたい」というよりも、とにかく「死んでしまいたい」と思っていたそうです。このまま体に重度障害のある状態で生きていると、とうぜん家族に迷惑がかかります。30代の父親が寝たきりとなると、現実問題としてこれは非常に厳しい。むしろ、あの事故で死んだほうが、家族にとっては負担が少ないと考えていたといいます。
 この悲惨な状況が高木先生の原点なのです。病院のベッドの上で寝たきりなので、時間は限りなくあります。そこで様々なことを一生懸命考えました。そして「人は何のために生きているのか」という根源的なところまで到達し、ようやく気づいたことがあったのです。今まで自分は、コンクールで1位を獲りたいとか、会社で出世したいとか、家族を幸せにしたいとか、極めて個人的なことだけを考えて生きていたことに気づかれました。
 しかし、コンクールで勝てば誰かが負け、出世すれば誰かが落ちます。一人が豊かになると、他の人たちが豊かでなくなる。まるでシーソーのようなものです。「これはおかしい」と気づきました。幸せを求めているつもりで、実は「幸せのようなもの」を求めていたということです。
 そこで、真の幸せとは何か、半年間考え続け、一つの結論に辿り着かれました。
 それは「みんなが幸せになること」。みんなが幸せでないと、個人の幸せはあり得ない。しかし、それまでは、ほとんどの人と同じように自分だけの幸せを求めていたということに気づかれたのです。自分だけの幸せを求めていたのでは、結局は誰も幸せにはなれない……と。
 「みんなの幸せこそが、本当の幸せ」で、「みんなの幸せこそが、自分の幸せ」。
 本当にみんなを喜ばせるために「何が何でも体を治すぞ!」と強烈に心に念じました。大学病院でも絶対に治らないといわれていた体が、不思議なことにこの決意によって急速に治癒していきます。壊死していた骨に血が通い始め、動かなかった手の指がわずかながら動き始めました。一生半身不随で車椅子の生活といわれていた体が、元の健康な状態に向かって回復し始め、事故から1年後には、歩行器と杖をついて社会復帰を果たすことができました。
 「職場復帰もでき、ピアノも弾けるようになり、指揮者としてカムバックできた。しかし、これは、ただ“運がよかった”で済ませるものではない。これは、大きな力によって動かされたのだ。これには大きな意味と使命があるのだ」と実感されます。だから「みんなの幸せ」のために、自分のすべてをかけて最大限のことをしようと決意されたと言います。
 そこから、ネットワーク地球村を設立され、世のため、人のために活動をスタートされて行かれます。そんな高木先生ならではの真実のお話を、ぜひ皆さんにお聴きいただきたいと思います。

(引用開始)
 でも今、私は本当の幸せに気づきました。
 幸せはこの社会の反対側にあるということを。
 幸せは競争しないこと、争わないことだということを。
 自分一人の幸せはありえないということを。
 本当の幸せは、みんなが幸せであることを。
 幸せは、戦いをやめることから始まるということを。
 そのためには、奪うことから分かち合いへ変わらなければならないことを。
 その実現には、競争から調和へ変わらなければならないことを。
 本当の幸せは、みんなの幸せ。
 本当の幸せは、誰とも対立しない。
 みんなの幸せの実現に、対立はありえない。
 誰とも対立せずに、みんなの幸せの実現を始めよう。
 私は非対立を自分の生き方として、非対立の姿勢でやっていこう。
 人は幸せを求めている。
 自分の幸せが、他の不幸を招くのであれば、
 それは本当の幸せではない。
 自分一人の幸せはありえない。
 世界全体が幸せになるまで、本当の幸せはありえない。
 僕は幸せの実現に向けて生きていこう。
(引用終了)

 みんなで幸せになる考え方、生き方を、いっしょに学びませんか?
舩井幸雄が強く求めてきた「エゴからエヴァへ」の実現には、いま、私たちが「事実」を知ることが大事だと思います。

日時:2018年1月27日(土) 12:30〜16:00
場所:熱海・レンタルスペース イヤシロチ

   *JR熱海駅からタクシー10分 
    または 伊豆箱根バス「西山」バス停すぐ
主催:一般財団法人舩井幸雄記念館
お問合せ:0557-86-5151(担当佐野)
参加費用: 3,000円 *学生=1,000円
お申込み: お電話をいただくか、メール(koichi51@51dc.jp)でお申込みください。

【NPO法人ネットワーク『地球村』代表 高木善之(たかぎよしゆき)氏】
 1947年大阪生まれ。大阪大学物性物理学科卒業、パナソニック入社。中央研究所、本社企画室。在職中は半導体、コンピュータの研究開発、フロン全廃、割り箸撤廃、環境憲章策定、森林保全など環境行政を推進。本業以外では音楽分野で活躍。1981年、交通事故をきっかけに平和と環境問題に意識転換。1991年、『地球村』を設立。多数の国際会議に出席。国内外で活躍。難民支援、人道支援、災害支援、環境保全などの国際活動を続けている。平和、環境、生き方に関する著書が多数。
★ネットワーク『地球村』 http://www.chikyumura.org
★毎朝届く!元気が出る一言メルマガ「一日一善之」(無料)
http://www.chikyumura.org/takagi/





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Profile:佐野 浩一(さの こういち)
佐野 浩一(さの こういち)

1964年大阪府生まれ。関西学院大学法学部政治学科卒業後、英語教師として13年間、兵庫県の私立中高一貫校に奉職。2001年、(株)船井本社の前身である(株)船井事務所に入社し、(株)船井総合研究所に出向。舩井幸雄の直轄プロジェクトチームである会長特命室に配属。舩井幸雄がルール化した「人づくり法」の直伝を受け、人づくり研修「人財塾」として体系化し、その主幹を務め、各業界で活躍する人財を輩出した。 2003年4月、(株)本物研究所を設立、代表取締役社長に就任。商品、技術、生き方、人財育成における「本物」を研究開発し、広く啓蒙・普及活動を行う。また、2008年にはライフカラーカウンセラー認定協会を立ち上げ、2012年、(株)51 Dreams' Companyを設立し、学生向けに「人財塾」を再構成し、「幸学館カレッジ」を開校。館長をつとめる。2013年9月に(株)船井メディアの取締役社長CEOに就任した。 講演者としては、経営、人材育成、マーケティング、幸せ論、子育て、メンタルなど、多岐にわたる分野をカバーする。
著書に、『あなたにとって一番の幸せに気づく幸感力』(ごま書房新社)、『ズバリ船井流 人を育てる 自分を育てる』(ナナ・コーポレート・コミュニケーション)、『私だけに教えてくれた船井幸雄のすべて』(成甲書房)、船井幸雄との共著『本物の法則』(ビジネス社)、『あなたの悩みを解決する魔法の杖』(総合法令出版)、『幸感力で「スイッチオン!」』(新日本文芸協会)がある。

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