リレーでつなぐ"ハート"の話

このページは、リレー形式でそれぞれの人に“愛”をテーマに、恋愛や家族愛、人間愛、パートナーシップ、コミュニケーション、大切な人への想い…などを自由に語っていただくページです。 それぞれの方に半月に１回、計３回ずつご執筆いただき、その方から次にご執筆いただける方を紹介していただく形をとっています。順々に人と人とのつながりの輪が広がっていきます。

　今回は僕の３回目のコラムなので最後に今、自分が議員活動をしながら生きていられること、そして支えてくれる人がいることに感謝の気持ちを込めて書きたいと思います。

　僕が生まれたのは茨城県八千代町、我が家は親父が営む建設会社で生計を立てていて、周りからみると裕福な環境で、何不自由のない暮らしで幼少期を過ごしました。

　しかし、僕が１５歳の時に両親が営む会社が倒産、家は競売にかけられてしまい、住むところもなく、食べることすら大変になり、僕自身、高校には進学できたものの、家庭の事情で高校を自主退学する道しかありませんでした。

　全ての物を失いかけた家族と僕は、一気に人生の転機に陥りました。
　そんな人生の転機に僕が心から思ったことは、まずは競売にかかっている住んでいた家を取り戻したいと言う思いでした。
　家さえ取り戻せたら、また一から作り直せると思ったのです。
　そして１７歳の僕は、東京で就職をしようと思い、手持ち三万円程を握り、就職活動を始めました。
　何も資格もなく、学歴と言えば高校の自主退学、もちろん住むところも頼る宛てもなく、住むところを確保するために寮完備のところや、バイトの面接をする日々……、今思えば野良犬がフラフラして歩いているのと何ら変わらない状況だったと思います。

　そんなフラフラしていた僕に一筋の希望をくれた人がいました。
　その人は東急デパートの中に店舗を置いているある企業の社長さんで、「よかったら、うちの会社で働いてみない？」と言ってくれました。

　ただ、その時点で僕は住むところも未だなく、「すごく働きたいんですが、住むところがなく、通えないので、今、寮がある会社を探しています」としか返事することができませんでした。
　それを聞いた社長は、「それなら、お金が貯まるまでうちの会社でも、社長の家でも寝ればいい」と、僕には信じられないくらいの好条件を提示していただきました。

　社長の好意もあり、勤務させていただくことになり、有名なブランドなので、忙しいだろうとは思っていましたが、それを予想を遥かに上回る、もの凄く忙しい会社でした。
　アパレルブランドは季節の新作や時期により、一気に商品が変わります。また、一年で一番忙しい正月のセールの時は、朝５時まで仕事をして、早朝７時に出勤なんてこともありました。
　僕は社長の好意と家を取り戻したい思いを実現させるために寝ずに働きました。
　そんな努力の甲斐があり、アルバイトなのに手取りでかなりの高額な収入を手にできるまでになりました。
　無駄遣いも一切せず、実家を取り戻すため、給料は生活費以外預金でした。

　結果的に、競売にかけられた実家を買い戻すという願いを叶えることができました。
　僕の今までの３１年間、家の破産以外の挫折もありました。

　きっと、３１年間なんてまだまだと思う人もいると思います。でも、人は誰しも、人に言えない傷や悩みは大なり小なりあると思います。

　僕がすごく恵まれていると思うのは、全国に様々な業種の友人がいることです。
　スタイリスト、ファッションデザイナー、ＩＴ関係、アーティスト、エネルギーカウンセラー、銀行員、文化人など年齢も性別も様々で、ここに書ききれない！
　事故で今は亡き、心の中にいる友人もいる。

　皆それなりに長い付き合いで、僕が居心地の良い空間を作れる大切な人達です。
　スタイリストのＨさんは仕事熱心で、とても厳しい方。そんな彼は、僕の相談をいろいろと聞いてくれます。彼は必ず適切なアドバイスをしてくれます。必要な時には厳しく叱られることもありますが、内面の誠実さと優しさは本物です。
　デザイナーのＳさんは、いつも活力とアドバイスと、僕にとって良い起爆剤を与えてくれます。
　ＩＴ関係のＴさんは、いつも変わらない自然体で、ありのままで気兼ねなく接してくれます。
　アーティストのＭさんは、僕のために涙を流してくれたこともありました。
　エネルギーカウンセラーのＨさんは、白黒はっきりした人で、厳しいことを言う反面、口には出さず態度で優しさをくれます 。

　銀行員のＨさんは、離れていてもいつも気にかけてくれます。
　以前、僕が仕事の過労で倒れた時には病院に連れて行ってくれ、翌朝までいてくれ、寝ずに看病をしてくれました。
　文化人の元大統領夫人のＤさんは、現在就任している議員活動をしたいと相談したところ、八千代町まで私が応援に行くと言い、本当に町まで来てくださって、全身全力で応援してくれました。

　ここに書いた友人以外にもたくさん友人がいますが、仕事や距離があることなどで、今は会えない人も沢山います。
　でも僕はいつも思うのですが、状況はどうであれ、きっと心で繋がっていると感じる時が沢山あるのです。

　本当の友人って、不思議なことが沢山起こります。僕に何かあると、まるでわかっていたみたいに不思議なタイミングで連絡がきたりします。
　本当に大切な友人がいる僕は今幸せで、きっと友がいたからこうして今の自分が作られてきているのだと思います。

　愛は必ず伝わる
　言葉でなくても……
　例え会えなくても……
　世界の何処にいても……

　どんなに素晴らしい言葉も、心に愛が無ければ伝わらないけれど、愛があれば必ず伝わる。

　沢山の愛をいただいた友達へ、自分はまだまだ未熟なところばかり。でも、これからもっと人間的に成長をして、僕も愛を返していきたいと思っています。
　日々努力！まだまだ頑張ります！

　最後に一言
この世に産んでくれて素敵な友人にあわせてくれた両親に親愛なる感謝を込めて……

　ありがとう、二人の愛で支えられ私はここまで育つことができました。感謝しています。


　これで僕の三回のコラムは終了です。
　読んで頂きありがとうございました。
　読んで頂いた全ての人に感謝を込めて …… 国府田利明

Profile:国府田 利明（こくふだ　としあき）

国府田 利明さん

八千代町町議会議員（２９才に選任され一期生）
１９８２年８月１１日生まれ（現在３１才）

★国府田利明オフィシャルサイト：
http://kokufuda-toshiaki.com/