リレーでつなぐ"ハート"の話

このページは、リレー形式でそれぞれの人に“愛”をテーマに、恋愛や家族愛、人間愛、パートナーシップ、コミュニケーション、大切な人への想い…などを自由に語っていただくページです。それぞれの方に半月に１回、計３回ずつご執筆いただき、その方から次にご執筆いただける方を紹介していただく形をとっています。順々に人と人とのつながりの輪が広がっていきます。

2015.08.15（第98回）

♪今回の執筆者♪
Naomi（なおみ）さん（２回目）
（Naomiさんの詳しいプロフィールはページ下にあります。）

愛について

　前回のコラムを読まれて、「『愛』について……。単純で難しいテーマですね。愛と円は、循環……共感です。今後のますますのご活躍楽しみです」とご感想を下さった方がいました。ご丁寧にありがとうございます。「愛、とは」改めて聴かれると、なかなかに答えにくいものですね。でも、私たちはそもそもが愛の存在なので、上手に言葉にできなくても毎日その愛を無意識に周りに与えています。与え方や受け取り方、そのときのお互いの感情で、同じ愛でも違ったものに見えてしまいます。

　さて、今回の愛は、どんな風に見えるでしょうか。

【待つことも、愛】
　何でもやってあげること、相手が求めてもいないのにこちらが先にやってあげることは、自分の愛を相手に押し付けているだけで、相手への愛にはなっていないことがあります。自分は良かれと想ってやっていることでも、それが、相手が自ら気付き成長するチャンスを奪っているのであれば、自己満足の愛でしかないのです。
　もうすでに他界されてしまいましたが、ご縁のあったある先生が、「自分で自分の身体を治すと意識や努力ができない人は診ない」と言われました。その先生はいわゆる「神の手」とでも申しましょうか、どんな病気でも治してしまうほどの能力をお持ちでしたが、自分がその患者を治してしまうことで、患者自身がなぜその病気になったのかを考えて生活習慣を自ら変えないために、また再発したり、逆に命を縮めてしまったりすることが起きたのです。「何かあればまた先生に診てもらえばいい」。患者にそう想わせて自分に依存させてしまったことで引き起こしたことを反省し、その先生は自ら気付き行動を起こさない人は診ないと決められ、患者にも宣言されました。
　想わず手を出してしまいたくなるシーンもあるでしょう。でもそれでは長い目で見たときに相手のためにはならないのです。自分に依存させるのではなく、相手を自立させる。気付いてくれるのは、１年後かもしれない、１０年後かもしれない、もしかしたら、あちらの世界に戻る瞬間かもしれない。それでも、本人が自ら気付くということにとても意味があるのです。それには正直とても時間が掛かります。でも、待つことも、愛、なのです。

【かわいそう、は、本当の愛？】
　「かわいそう、だからやってあげる」というのも、相手のためを心から想った愛ではないと私は想うのですね。まだ自分一人では何もできずに生きていけない赤ちゃんや小さな子供ならかわいそうという感情になるのは分かりますが、大人になってからのかわいそうは、暗に相手を自分よりも下に見ているから出てくる言葉だと想うのです。
　「あなた、かわいそうね。だから私がやってあげる」。これは自分では無意識でも、相手には「ほら、私があなたのためにやってあげているのよ」という上から目線の偉そうな行動として伝わってしまいます。自分は気付かずにこういうことをずっとしていると、相手からは「馬鹿にしないで。そんなことしてって頼んだ覚えはないわ」ということになってしまうのです。
　そもそも、「かわいそう」という言葉自体、自分が相手よりも優位だとか恵まれていると想っているときにしか出てきません。だからこそ、この言葉をずっと相手に使っていると、相手は見下されたような気持ちになってだんだん嫌気がさしてきたり反抗したりしてくるようになるのです。「ほおっておいて」と相手が自分に怒ってきたり、うっとおしいからと避けるような行動を取ったりしていませんか？　相手のために何かするときの動機が「かわいそう」のときは、自分が本当は相手をどう想っているのかを少し考えてみましょう。相手は自分の置かれた環境や状況を「かわいそう」だとは想っていないのに、あなた自身の価値観で決めた「かわいそう」を相手に押し付けてしまうと関係性はこじれます。中には、かわいそうな自分を演じて相手の愛を得ようとする人もいますが、そういう愛は長続きしません。
　「かわいそうだから」あなたなら、誰かがその動機で自分に付き合ってくれることを素直に心から喜べますか？　それとも、「かわいそう」ではなく、あなたの想いに共感し同じ目線で寄り添ってくれて、一緒に乗り越えていこうとしてくれる人に喜びを感じますか？

Profile:Naomi（なおみ）

Naomiさん

画道師範
兵庫県出身。ヒューマン＆アートラボ代表。
色・アート・香り・言葉などを活用し、目には見えない潜在意識を分かりやすく具体的に顕在化（視覚化）する専門家。現状の潜在意識の人間関係を具体的に視覚化できる「ご縁ＭＡＰ」考案者。
学生時代のスーパーのレジのアルバイト経験から、「買い物カゴの中から、人の心模様（心理）も空模様（天気）も世の中の動き（世界情勢も）見える！」と、カゴの中から社会の流れや人の心理などを読み取ることに目覚め、就職先に大手小売業を選び分析力に磨きをかける。その後、トップアスリートのメンタルトレーニングや代替医療の現場で使用される東洋医学の発想に基づいた瞑想用の香りを販売する直営店にオープニングスタッフとして携わり、オーラ・チャクラ測定器・脳波測定器などを活用し香りの効果を視覚化しながら、経営者・起業家・ビジネスマン・スポーツ選手・医者・学生・心の病を抱える方などのべ１０００人以上のカウンセリングを行う。現在は、色霊アート（いろだまあーと）・言霊・香りなど五感刺激によるヒーリングと潜在意識活用方法、潜在意識の人間関係を具体的に視覚化する「ご縁ＭＡＰ」など自己開発メソッドを提唱しながら幅広い活動を展開している。

＜講師実績＞
明石医療センター付属看護専門学校（兵庫）、医療法人社団順孝会・あだち眼科（埼玉）、毎日放送アナウンサー部（大阪）、関西大学商学部（大阪）、松山大学商学部（愛媛）、一般社団法人・日本人材開発研究所（大阪）など

画道師範Naomiブログ： http://ameblo.jp/naocchi2004/