(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
あけましておめでとうございます。船井勝仁です。
【「天律時代」の到来に向けて】という新コラムを書かせていただくことになりました。拙著『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』の中で、明治維新以降の日本の歴史を振り返ってみると、他律の時代(外国の良いところを徹底的に見習うことで急成長する時代)と自律の時代(傲慢になって大きな努力を忘れ、成功体験にしがみつき失速する時代)を40〜45年毎に繰り返していることを指摘させていただきました。
今は1985年に始まった自律の時代で、このままいくとこの閉塞感がまだ20年以上続くことが予測されます。しかも、その時の困難は段々大きくなって行って行くので、1945年の敗戦時よりもひどいことになる可能性が高いのではないでしょうか。
紀元前3世紀から2世紀にかけて、共和制ローマが隆盛期にあったころ、地中海に面した北アフリカにカルタゴという国家がありました。今のチュニジアという国があるところです。ハンニバルという名将を擁し、一時はイベリア半島を支配してイタリア半島にも出兵しローマを苦しめたほどの国力を誇った国でした。
第二次ポエニ戦争でローマに敗れた後は、外交や国防は二の次にして徹底的な重商主義を取り経済では一人勝ち状態でした。そして、当時の覇権国であるローマの危機感と怒りを買って、第三次ポエニ戦争では、市民は全員殺されるか奴隷として売られ、都市はあとかたもないほど徹底的に破壊され、ついには二度と作物が育たない地にするために塩まで撒かれるほどの憎悪の対象になりました。
戦後の日本が国防や外交などの国としての根本的な機能をまったく放棄して経済だけで繁栄したことと似ているとは思いませんか。しかも、ポエニ戦争を世界大戦に読みかえると、第二次で覇権国(ローマ、アメリカ)に負けたがその寛容な心で厳しい制裁を受けなかったことをいいことにしてお金だけに生きてひんしゅくを買っているところもそっくりです。
このまま、第三次世界大戦が起こると日本という国があとかたもなく無くなってしまうほどの困難がやってくるのではないでしょうか。日本という国が生き残っていくためには絶対に戦争を起こしてはならないし、平和のために命をかけて世界に尽くさなければ日本の未来はないと言えるのかもしれません。
日本語は母音言語であり、他のほとんどの言語は子音言語です。そのため、日本人の脳は右脳が他の民族に比べ発達しています。その結果、聞こえる周波数がまったく異なるのだそうです。これが、一般的に言って日本人が外国語の取得が苦手な大きな理由ですが、英語や中国語が聞き取れない代わりに、虫の声や風の音を美しいと思える感性を備えているのです。自然の声に耳を傾けることができることが日本人の特性であり、その能力を使って世界平和に貢献していくことが求められているのではないでしょうか。
自然は厳しいものですが、決して対立や競争をしているわけではありません。個々がそれぞれの役割を果たしていく中で、強いものが生き残るのではなく、必要なものが共存しているのが自然の姿です。少我(エゴ)を押し通すのではなく、大我(全体が1つであることを知り、全体の生成発展を望むこと)に生きることで、世界平和に貢献することが日本の役割なのです。これが、私が著書で述べたかった天律に生きるという生き方であり、自然が大好きな父からの教えなのです。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)などがある。