(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
先日、大学の同じサークルの大先輩で船井総研の時に仕事でもお世話になった70歳を過ぎた経営者の方とゴルフを楽しませていただきました。船井幸雄がゴルフ嫌いだということは有名なので、私がゴルフをするということを聞くとびっくりされます。
ゴルフがめちゃくちゃ好きなわけでもありませんが、経営者同士、お互いに一番親しくなれますし、年齢を超えて一緒にできるところが素晴らしいと思っているので、時々楽しませていただいています。
ただ、最近はあまり時間がありませんので、無理やり私のスケジュールに合わせてもらったところ、先輩がお仕事柄どうしても出なければいけないゴルフ場が主催する60歳以上のシニア向けのコンペに私が無理やり割り込ませてもらう形になりました。
平日でしたが、30名以上の参加者があり、経営者というよりもセミリタイアした方か、それよりもご夫婦で参加されている女性の姿が目立ちました。
社長の特権で、時々平日に名門コースを回らせていただくことがあるのですが、当たり前ですが、ほとんど年配の方ばかりです。日本の豊かさを象徴する風景だと思うのですが、この豊かさを若い世代にどう分けていくかが、日本のような先進国にとっては大きな課題になります。前回書いたように、インフレが起こり強制的にシニア層の資産を減らしてしまうというのが、いままでの方法論です。でも、できればみんなが本当のことを気づいていくことで、考え方、生き方を変えていき、それによって豊かさを享受しながら、世代間格差の解消もしていければいいと思います。
私のパーティーは先輩とその奥様、それに先輩の大学時代の同級生で私が現在の仕事で大変お世話になっているある地方の名門企業の元社長でした。この社長と仕事で話していた時に、この大先輩が同級生であることが分かり、一緒にゴルフをしようという話になったのです。大先輩の会社も元社長の会社もその地方ではよく知られている会社です。でも、両社とも銀行からの借入金が大きく、何らかの形で整理を進めて、お二人とも元の自分の会社とは関係がない仕事をされています。
人格的にも優れていて時代も読めておりいい人脈を持っているお二人のような経営者でも、時代の流れには逆らえず、会社を整理しなければなりませんでした。
船井総研はおかげさまで健全経営を続けていますが、財務的に言うと大きな投資をせずにきたことが結果的にはよかっただけだとも言えます。もし、私が船井総研の社長になっていたら、きっと大きな投資をしていただろうと思いますので、多分、やはり大変厳しいことになっていただろうと思います。
会社を潰すのはもちろん経営者の責任です。しかし、経営者は借金をして事業を発展させることが要求されます。現在の金融の仕組みから言うと、その成果は長い年月をかけて銀行に移動していくし、グローバル経済に巻き込まれてしまったいまでは、いろいろな金融技術を使って、アメリカの投資銀行などに最終的には取り上げられてしまうようになっているのです。つまり、いまのようなデフレの時代に生き残ろうと思うと、借金をしてはいけないことになるのです。
無借金経営ができる企業はほとんどありません。だから、企業の寿命は30年になるといういまは厳しい時代を経営者たちは生きています。ただ、これからインフレの時代になるとすると、今度は現金の価値がなくなってきますので、借金をして資産を持っている経営者が勝つことになります。その変化の見極めが大事になりますが、私はそろそろインフレヘッジも視野に入れた経営をするべき時がきていると思います。
大先輩は借金をしてまで事業をする気はないようですが、残った資産を使って世のため人のためになることをやりたいと熱く語っていました。実は、当日プレーしたゴルフ場も民事再生になっていて、そのスポンサーは外資系のゴルフ運営会社になりそうです。会社のため自分のためという視点から、世のため人のためという視点に次元を上げることが何よりも大切なのかもしれません。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/