(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
こんにちは。船井勝仁です。
今回はこの夏のピーク時に向けて、停電を回避することができるかどうか、そして将来的に原発をすべて停止させて、それを他のエネルギーで代替していくことができるかどうかについて、話を進めていきたいと思います。新聞やテレビで論じられている話の大半は、日本の電気の供給量の3分の1を原発が担っていることで、この夏は計画停電がまた起きる、これをどう乗り切るかということになっているようですが、本当でしょうか。
前回のコラムでも少し書きましたが、2003年に東京電力管内の原発がすべて停止した事があります。その時は、東京電力は何とか福島原発の運転をはじめることで、すべての原発が停止する状態を回避しようとしたのですが、そのあまりにもいい加減な対応ぶりにあきれた当時の福島県知事の合意が得られずに、すべて停止という事態に追い込まれました。ところが、その時に停電は起こっていませんし、その事態が深く憂慮されたという記憶もありません。
なぜ、3分の1もの供給量を占めている原発が全て停止しても停電にならなかったのかを検証していきます。
原発が大きな割合を占める理由は、原子力発電が供給量をコントロールできない発電手段であることです。火力発電は石油やLNG等を燃やす量を調整することで供給量を調整することができるので需要の少ない夜間は操業しません。しかし、原発は発電量をこまめに調整することはできないので、需要の少ない夜間でも発電を続けてしまいます。だから夜間の原発の割合は昼間に比べて格段に高くなり、これがトータルでみると3分の1にもなる理由なのです。
電気の発電量はピークを迎える一番暑い日(たった3日間を想定しているそうです)の昼間の需要に合わせて設計されています。電気は基本的には貯めておくことができないので、そういう設計になっているのですが、そのピークの電気使用量を減らす努力さえすれば、東電管内において原発が全器停止していても何の問題も起きないのです。
ところで、大きな電力を使う大企業は一般家庭よりも安い料金で電気の供給を受ける契約を結んでいます。その代わり、供給量が足りなくなることが見込まれるときは協力するということになっています。大変ではありますが、工場の操業日時をずらすなどの対応でピーク時の調整をすれば何とかなるのではないでしょうか。もちろん、私たちもエアコンの設定温度を上げる、コンセントを抜く等の節電に協力していくことで少しでも貢献できることがあると思います。
次に代替エネルギーの可能性について考えて言いたいと思います。前回のコラムで1980年代の後半に原発反対論争が高まった時には、反対派は理論武装ができておらず議論に負けていたという話を書きましたが、その大きな原因のひとつが、当時の代替エネルギー技術はまだ空想レベルのものが多く、実現可能性が低かったということがあるようです。しかし、それから20年以上の歳月が流れ、その実現可能性は飛躍的に高まっているようです。
それが抑えられてきたのは、原発を推進することでCO2を排出しない低炭素社会の実現を目指すという世界的な流れに逆らえなかったということなのだと思います。日本の原子力関係の研究開発予算が毎年8,000億円以上あるのに対して、代替エネルギー関係の予算は50億円程度です。この研究開発予算を数千億円単位に増やすことができればかなりの問題は解決できるのだと思います。
また、日本の火力発電の技術はとても高く、使ったエネルギーをどれだけ電気に変えられるかという発電効率でみると60%近くありますが、原発の発電効率は33%程度です。二酸化炭素と地球温暖化には関連性はないということも分かってきている現状で考えると、自然エネルギーの実用化までの間は火力発電で足りない分を賄うということでも対応できるのではないでしょうか。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/