(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
4月22日(日)に京都でにんげんクラブ京都大会(準全国大会)を開催します。詳しいことは、船井勝仁.comに書きましたが、「光・水・風 実行委員会」という大きなイベントの一つとしてこの京都大会が位置づけられています。
そして、この実行委員会の委員長が京都大学の前総長で地震学者でもいらっしゃる尾池和夫京大名誉教授です。
先日の実行委員会のオープニングパーティーに出席させていただいて、尾池先生にご挨拶させていただいて、すっかりそのお人柄に魅了された私は尾池先生が東日本大震災後に出版されたご著書『日本列島の巨大地震』(岩波書店)を購入して読ませていただきました。そして、地震を予知することはとても難しいことだけど、それは不可能ではないということを改めて知りました。
例えば、昨年の3月9日、10日の今回の地震の前震活動はあきらかにそれまでの地震とは違うもので、「さらに大きな本震が起こる前の前震群は大きな地震が多い」という経験則が当てはまっていました。後付けの説明でそんなことは意味がないという意見もありますが、中にはこの前震活動から本震活動が来ることを察知していた人もいるのではないかと思います。
その他にもいろいろな経験則があるようです。例として、地震の季節性等について紹介している部分を引用させていただきます。
(引用開始)
大規模地震の起こる場所が、時間とともに系統的に移動するという現象があります。地震の発生を長期予想するために、この現象は多くの研究者によって論じられてきました。余震域が拡大していくような、短期間の局地的な移動は常に観察されますが、かなり明瞭で長期的な広域の移動の例も報告されています。
例えば東京大学地震研究所の所長であった茂木清夫さんは、1968年の論文で、世界の大規模な地震の起こり方を詳しく分析しました。その結果、1933年の三陸沖大震災の前後における数年間の地震の移動や、1935年から30年間にわたる、例えばインドネシアから日本、カムチャッカ、アラスカへというような、世界的な大地震の移動を見つけました。このような現象の原因は、まだはっきりとはわかっていませんが、その仕組みを考えることも重要だと思います。
もう一つ、興味深い現象が知られています。地震の発生する季節が偏っているという報告です。大地震の季節性というのは重要な視点です。そのうちに、季節変動が存在する仕組みの、明快な説明ができるようになると思います。このような統計的な現象を論じるためには、まず信頼できるデータが必要ですが、日本列島には精度の高い史料があるので、このような課題を論じることができるのです。
実際に、日本付近の大地震については著しい季節性があります。1920年以降のM7.5以上の大地震を調べた結果では、特定の季節に集中して起こる傾向が見られます。1600年から1919年までの、M7.9以上の大地震にも同じような傾向が認められます。季節性は場所によってちがいます。北海道から三陸の太平洋側沖合では2月から5月まで、特に3月に集中しており、宮城県沖から関東・東南海道にかけては9月から1月まで、特に12月に集中しているという報告があります。このような、季節性があって、かつ地域的にそれが異なっていることの仕組みは、まだ研究が進んでいません。その仕組みの中に、きっと重要な情報が含まれているにちがいないと思っています。
(引用終了)
実際問題、地震学者が今回のような大震災を事前に予知して、公の発言としてそれを明らかにできるようになるには、まだまだ長い時間がかかると思いますが、これからは、一人ひとりが自分なりの地震予知の経験則を持って、自己責任で判断することが大事なのではないかと同書を読んで思いました。
それというのも、みなさんもそうでしょうが、近い将来、東日本大震災と同等かそれ以上の地震が必ず日本を襲うという情報をよく耳にします。そして、先日聞いたある情報には、尾池先生が論じておられるような明らかな予兆現象があるので、それをしっかりと見極めることが大切だというものがありました。そのタイミングでこの本を読むことになって、すこしびっくりしているのです。
第三者に自信を持って言える精度にはなっていませんし、もしかしたら、地震が来ることが分かっても、政府としてはパニックを恐れてマスコミを通じて発表することはしないかもしれないと思ったりもします。だから、大事なのは、私たちが自分で集められる情報と考え方を学んで、自分たちで判断することなのかもしれません。
これはある種の直感力とも言える能力ですが、これからの数年は地震や天変地異に対する、予知を統計的な手法も活用しながら、直感的に察知することも大事なのかもしれません。そう言えば、石巻で大震災の直前には、かにがびっくりするぐらい大漁だったという情報もありました。生き残るためには、自己責任で、でも気になることは自分で調べていく姿勢が求められているようです。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/