(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
この原稿を高知空港のロビーで書き始めました。足摺岬や室戸岬まで足を伸ばして、パワースポットの見学などをさせていただいたのですが、今回参考になったのは、四万十町にある海洋堂というフィギュアーの会社がやっている辺鄙なところにあることが特徴のホビー館四万十( http://www.hobbykan.jp/ )とかっぱ館( http://www.kisotengai.jp/kappakan/ )に行ったことでした。車がすれ違えないような峻険(しゅんけん)な道をドキドキしながらドライブしてようやく到着するような立地なのですが、逆にそのわざわざ感が受けているようで、大変評判がよく、私も感激しました。
詳細はこのコラムのテーマではないので省略しますが、このようないままでの常識では考えられないようなアイデアを現実化することで新しい消費を作ることが経済にとっては大事になると思います。高知は工業生産額も一人当たり県民所得も最下位になったそうですが、沖縄の人口が増えていて那覇の景気は日本でも一番いいと私は感じるのですが、高知も10年ぐらいの間には、いままでとまったく反対のこのようなアイデアがたくさん現実化されることで、景気がよくなってくると思える事例でした。
昨日の朝、出かける前にホテルの部屋でテレビを観ていると、消費税が増税されることによって負担が増える分をどう節約するかという番組をやっていました。趣味の支出を控える、お父さんのお小遣いを減らし酒代を節約する等いろいろなアイデアが出ていましたが、これではますます景気が悪くなることは間違いありません。そして、本当に大変なのは、消費税の増税分を価格に転嫁することが難しいことが予想されますので、その分を被らなければいけなくなる、企業、特に中小企業であることは間違いありません。
小川社長(株式会社にんげんクラブ 代表取締役)が高知ではこの20年間に1000社以上の企業が減少したという記事が高知新聞に載っていたことを教えてくれましたが、本当にこのデフレの状態で消費税を上げることは、経済学的にはあり得ない選択です。消費税を上げられないと、日本国債の格付けを下げられると脅かされたことが一番大きな原因かもしれませんが、外貨準備を使うなど他の選択を取れるようなまともな国になるためにはどうすればいいか、真剣に考えなければいけない時が来ているようです。
船井メディアの人見ルミ常務が最近、積極的に紹介している藤井聡氏の『救国のレジリエンス』(講談社)という本を読みました。私はまだ読んでいませんが、『公共事業が日本を救う』(文春新書)がベストセラーになった京都大学大学院工学研究科教授です。新幹線や高速道路などの公共事業を積極的に行なうことによって、GDPを900兆円にしようという提案をされています。やはり、人見常務が最近推している上念司氏も通貨供給量を増やすことによって円安に誘導し、景気を刺激するという提案をされています。
私は両氏とは少し違う意見を持っていますが、確かにデフレと円高が続く限り、日本の景気がよくならないことは間違いないと思います。
藤井先生の本を読んで一番面白いと思ったのは、明治9年の人口ベスト15の都市と、いまの政令指定都市を比べた地図です。明治のはじめにベスト15に入っていなくて、いま政令指定都市になっているのは、川崎、千葉、さいたま、堺等の首都圏や関西圏の都市と札幌を除けば、福岡、北九州、岡山、浜松、静岡、新潟と新幹線ができた都市に集中しています。
また、明治9年にベスト15に入っていたにも関わらず、政令指定都市になれていないのは、鹿児島、熊本(最近、九州新幹線が開通しましたので、藤井先生の論が正しければ将来は政令指定都市になる可能性があります)、徳島、和歌山、金沢、富山、函館で、すべて新幹線の恩恵を受けていない都市です。鹿児島、熊本の方が、福岡や北九州よりも人口が多かったことはいまから考えるとびっくりしますし、新潟の発展は田中角栄という一人の政治家の力であることなど、この2枚の地図を見比べると、いろいろなことが分かります。
多分、今年中に選挙があり、いまの情勢で考えると過半数は取れないでしょうが、自民党が第一党になり、自民党政権が生まれることが予想されます。いまの民主党政権よりは公共事業が増えることになると思いますので、多少は景気がよくなるかもしれませんね。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)、『失敗から学ぶ』(2012年7月海竜社)などがある。
★にんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/