写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2012.01.11(第39回)
2012年はどんな年になるのか

 こんにちは。船井勝仁です。
 お正月も10日を過ぎ、お正月の余韻もそろそろ抜けてきました。私は新年早々、日本中を飛び回っていて、この原稿も北海道小樽のホテルで書いています。最高気温でもマイナスという北海道の冬を満喫させていただいています。しかし、街を歩いていて気がついたのですが、東京から来た私は、天気予報の気温の低さに恐れをなして、ものすごい厚着をしているのですが、地元の方は、もしかしたら東京の街を歩いている人よりも軽い格好をして歩いています。何十分も外を歩くことはこの季節にはないでしょうから、それで十分なのかもしれません。
 今年の景気も冬の北海道のようで、東京から天気予報だけをみていると、とても大変なことが起こっているように感じて、完全武装で行かなければいけないと思いこんでしまいますが、実際にそこで暮らしている北海道の人にとっては、雪は多いし、寒さも例年よりは厳しいのですが、衣食住をはじめとする日々の暮らしは、いつもと同じように続いていますし、この天気でも家族連れでご飯を食べに行くようなことも普通にあるのだと思います。
 昨日の夜は、庄坊番屋(http://www.shobobanya.jp/)という小樽の人たちから愛されているお寿司屋さんに行ってきました。昔は小樽消防署だったという建物でおいしい魚やお酒を堪能させていただきましたが、連休中ということもあり、家族連れでお寿司を食べに来ている人達を見かけました。お父さんはビールを飲んでいますが、子どもたちはジュースを楽しんでいる、それぐらいの余裕を今年中はまだ感じることができるのではないでしょうか。
 今年の経済で考えると一番の懸念は引き続きユーロ危機だと思います。今年に入ってから対円ユーロ相場は100円を切る水準に入り、これが定着していくことになると思いますし、段々対ドルでも1ドル=1ユーロの水準に近づいていくことになると思います。ただ、したたかなヨーロッパ諸国は会議を続けながら、少しでも崩壊を先延ばしする策を取っていくことが予想されます。そんなに早い時期での金融システムの破綻はないと思います。
 一方のアメリカは、大統領選挙の年になりますので、普通で考えれば景気の後退やましてや金融危機が起こることは考えにくいと思った方がいいと思います。為替相場に詳しい岩本沙弓さんの分析では、今年の後半から来年にかけてドル相場が底を打ち、そこから円安ドル高の相場になっていく可能性がテクニカル的に相場をみると高いということですから、今年は為替で円高の状態を作ってアメリカの輸出を伸ばしていく施策を取りながら、TPPや韓国に対するFTA等の政策を進めることで、対アジア諸国に対する利権を伸ばしていこうという政策を取るのだと思います。
 日本の状態を考えると、経済の面だけで考えると欧米に比べれば懸念は少ない状態と言えるのだと思います。ただ、政治が消費税を巡る論議で浮足立っており、やけくそ解散が春にもある可能性が出てきていますので、政治の混迷はますます続くのだと思います。さらに気を付けなければいけないのが、地震などの天変地異によって混乱が引き起こされる可能性です。いろいろな情報がありますが、関東地方や東北地方を中心にまた大きな天変地異が起こっても不思議な状態ではないとも言われていますので、これをきっかけとした混乱には十分気を付けた方がいいのかもしれません。
 どう対処したらいいのかは難しいのですが、昨年の東日本大震災で多くの人が気づいた、誰か遠くにいる偉い人が自分の生き方を決めてくれてただそれに従って生きていけばいい時代は終わり、自分で考えて、自分で意思決定して、自己責任で行動できる自立した人間になれるように一人ひとりが感性を磨いていくことで、非常時を生き残るだけの直感力や生命力を磨いていくことが大切なのだと思います。
 結論から言うと、今年の前半はそれほどひどいことは現象としては起きてこないと思いますが、本格的な非常時に少しずつ、それとは気づかないぐらい自然に突入していくのだと思います。今年のキーワードはサバイバル。繰り返しになりますが、それぞれの直感力、生命力を磨いていくことが大切な年になるようです。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)などがある。
未来から考える新しい生き方
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/

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