写真
2010年にんげんクラブ全国大会ステージ上にて
(写真撮影:泉浩樹)

「天律時代」の到来に向けて

このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。

また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。

左上 「うず」のイメージ(画:西口貴美)
2011.11.11(第33回)
昭和史からの警告

 こんにちは。船井勝仁です。
 副島隆彦先生と父の共著に2006年の本ですが、『昭和史からの警告』(ビジネス社刊)」があります。父は2002年に『断末魔の資本主義』(徳間書店)を著して、リーマンショック以降の市場絶対主義の資本主義が終焉することを予想して、その通りに世の中が動いています。そして、父の予測の中でもっと怖いのは、この『昭和史からの警告』で書いていることがあたってしまい、日本が世界大戦に巻き込まれてしまうことです。
 コルマン・インデックスで言われていたマヤ暦が終わる日(2011年10月28日)を過ぎたいま、高島康司さんの講演で、コルマン・インデックスは終盤では段々当たらなくなってきた。もしかしたら、金融経済的なクラッシュは起こらずに、ゆでガエル状態で状況が段々悪くなって行くのではないかという見方もあるというお話をお聞きしました。
 平和憲法を持つ日本が戦争の道へ進むことのないように、歴史の研究とこの世の中を動かしている大きな流れを一人ひとりがしっかりと捉えて、ゆでガエル状態でもいいので何があっても戦争を回避する必要があるのではないかと強く感じています。
 昭和史の日本といまの日本は75年ずれて、ほぼ同じような道をたどっているのではないかというのが、この本の中で副島先生が問題提起されていることです。1926年が昭和元年なので、ちょうど昭和11年に起こったことが2011年に起こるということになり、年号で考えても分かりやすくなっているのが、ちょっと不気味な気がします。
 例えば、昭和6年に満州事変が起こって日本はそれまでの大正デモクラシーの残り香が感じられる時代から本格的な戦争政治経済体制に突入していくのですが、2006年には安倍晋三政権ができました。これは、その後の自民党から民主党に政権交代したにも関わらず、毎年政権が変わり現在のように政治への不信感が高まっていくさきがけになった年と読めば、軍部の台頭と政治への不信というテーマでシンクロしていることが感じられます。
 安倍晋三元総理の奥様の安倍昭恵さんはにんげんクラブの会員であり、地方大会で講演していただく等仲良くさせていただいているので少し複雑な気もしますが、確かに5年間もの長期に渡って強烈なリーダーシップを発揮した小泉純一郎内閣と対比をすれば、安倍内閣以降の政治がいかにふがいないと国民から感じられているのかを考えれば象徴的な出来事が始まった年と考えられます。
 そして昭和8年はドイツでヒトラーのナチスが政権を取り、アメリカではルーズベルト大統領が政権を取りました。そして、日本が国際連盟から脱退した年でもありました。2008年に起こったのがリーマンショックであり、国際的に戦争の準備が着々と進んでいたことと、資本主義経済は本格的に行き詰ってしまいどうしようもない状態であることが白日の下にさらけだされたということでこちらもシンクロが起こっているのではないでしょうか。
 そして昭和11年には、日本が本格的な戦争体制に突き進んでいくことの大きな契機になる二・二六事件が起こります。これ以降、軍部の意向に逆らうと殺されてしまうという恐怖から日中戦争、太平洋戦争、焼け野原の敗戦へと歴史が進んで行くのですが、2011年には3・11大震災が起こりました。このことがきっかけとなり、現在の政治経済体制が全く無力であることが段々明らかになってきています。
 そして、昭和12年には日中戦争に突入します。最盛期には200万人もの兵士を中国に駐留させたのですが、まったく改善の兆しは見えずに無謀な太平洋戦争に突入していきます。来年はもう、現在の資本主義体制や現在の政治体制を維持できなくなることが誰の目にも明らかな大きなトピックスが起きるのではないでしょうか。
 そして、昭和16年に太平洋戦争、昭和20年の敗戦ですので、2016年、2020年という年にかけて目に見える形で体制の変革が感じられるようになるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、何があっても武力を使った最悪の事態にならないよう、一生懸命みんなの叡智を結集していくことが必要だと強く感じています。平和は黙っていて実現されるものではなく、自分達の力でキープしていくものなのかもしれません。

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Profile:船井 勝仁(ふない かつひと)

1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。 著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
いま明かされるコトダマの奥義
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