(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
前回に引き続いて、消費税の問題を考えていきたいと思います。いま、旬の話題であることはもちろんですが、原発、TPPとならんでこれからの日本がどちらの方向に行くか、一番大事な試金石になると思うからです。時代は明らかに変わろうとしており、いままでの資本主義というシステムは変革が求められています。でも、何とか資本主義というシステムを守ろうとしている人たちがいます。
その中で一番影響力があるのは、ちょっと意外ですが、アメリカなのかもしれません。日本は独立国のように思っていますが、副島隆彦先生は、はっきりと「日本はアメリカの属国だ」という論陣を張っています。一番、端的なのは沖縄の普天間基地の移設問題です。
独立国であれば、「沖縄に海兵隊の基地はいらないので出て行ってください」と言えばすむ話です。でも、それが言えなかったので、鳩山政権は政権を投げ出すことになってしまいました。それから民主党の迷走が始まったのです。
アメリカの国益から考えると、日本が外貨準備として持っているアメリカの国債を売却されることが一番困ることです。普通であれば、東日本大震災の復興のために、外貨準備を使おうという発想はとても自然だと思いますが、日本の政治家や経済人でそれを口にする人は皆無でした。「日本がアメリカ国債を売れば暴落してしまうからそれはできない」ということですが、そもそも売却できない金融資産を買わされていることが、本来はあり得ないことなのです。
だから、日本の財政規律を健全化させて、間違っても日本人がアメリカ国債の売却などという暴論(?)を言い出さないようにしなければなりません。だから、アメリカの格付会社は消費税が上げられなければ、日本の格付けを下げると脅かすというわけです。しかし、マーケットはそんなにバカではなく、格付会社がフランスの国債を最上級から引き下げても、それほど大騒ぎにはなりませんでした。日本が消費税率の引き上げができなくても、大きな影響はないと思います。
ここでポイントは、「政治家や財界人などのいまのシステムを動かしている人には、アメリカの意に逆らうことは言いにくい」ということなのです。でも、政治家や財界人がアメリカよりも言うことを聞かなければいけない勢力がいます。それは、「民衆の総意」です。いま、私たちはマスメディアにコントロールされて、アメリカの意に沿った総意を持っていますが、一人でも多くの人が真実に気がつけば、真実が総意になります。そうなれば、「民意には逆らえないのですみません」と、日本の偉い人がアメリカにものが言えるようになるのです。
国内でいままでのシステムを一番守ろうとしているのは、官僚制度でこの国を動かしている人たちです。植草一秀さんの最新著『消費増税亡国論』(飛鳥新社)によると、「シロアリ退治なき消費増税」を押し進めようとしている人たちです。同書の中で野田首相が野党時代の2009年7月14日に衆院本会議で行った発言が引用されています。
(引用開始)
「私どもの調査によって、今年の5月に平成19年度のお金の使い方でわかったことがあります。2万5000人の国家公務員OBが、4500の法人に天下りをし、その4500法人に12兆1,000億円の血税が流れていることがわかりました。これだけの税金に一言で言えばシロアリが群がっている構図があるんです。そのシロアリを退治して、働きありの政治を実現しなければならないのです。」
(引用終了)
この12兆1,000億円がほぼ5%の消費税の税率に相当するので、消費税を「シロアリ退治」することなく上げてしまうと、シロアリに流れる血税が単純に倍になってしまうことを危惧している発言を、政権を取る前の野田首相は話していたようです。政権を取ってしまうと、アメリカやこのシロアリとして直接の恩恵を受けている人たちの意を無視できなくなり、彼らの言いなりになってしまうことがとても悲しいことです。
「増税なき財政再建」。これが昔から言われている正論です。これが堂々と議論できる世の中が来て欲しいものです。そのためには私たち民衆がこのことを知って、自分の意見として主張することが、はじめの第一歩になるのです。お金の話や、税金の話は難しいようで、実は簡単です。だから、ちょっと勉強をしていただいて、ぜひ自分の意見を表明しようではありませんか。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/