(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
こんにちは。船井勝仁です。
いよいよ、リアリティ・エンジニアリング(RE)の本質である「ゼロ・サイクル」の話に入ります。「ゼロ・サイクル」はとてもシンプルです。ゼロ・サイクルは法則やコツ、常識や固定概念などの一切の手段を使いません。あるがままの現実をあるがままにそのまま素直に見ることをひたすら繰り返すだけです。シンプルすぎるので固定概念に固まってしまっている私たちにとってはなかなか分かりにくいところがあります。
前回説明したようにPlan→ Do→ Seeというアプローチを取らずに、PlanをせずにただひたすらSeeを繰り返します。
計画をたてることなど考えるということで成り立っている世界のことを、アルゴリズムの世界、アルゴ・ネットの世界と言います。今までの社会は考えることによって成り立っていました。考えた結果を法則化していき、それを常識化していくことで生きやすい世の中をつくることができました。しかし、このアルゴ・ネットの問題は、計画したことは必ず現実からは少しずつずれてくるということです。
生きていくのが大変な時代は、しっかりしたアルゴ・ネットを構築し、それに従って生きていくことがとても大事でした。自分で何でもやらなければいけない時代、生きていくための機能が内部化されていた時代は、できるだけその機能を効率的に使いこなすためのルールやコツがうまくいくための重要な要素だったからです。しかし、現在のような、生きていくための機能が徐々に外部化している時代はアルゴ・ネットの重要性がどんどん薄れているのです。
例えば、昔は記憶していなければいけなかったことはコンピュータが代替してくれるようになりました。地図が読めなければ車の運転ができませんでしたが、今はナビが目的地まで連れて行ってくれます。電話番号も覚えなければ不便でしたが、今は携帯電話が記憶してくれているので家族の携帯電話の番号でも覚えていません。原稿を書くのも漢字を覚えていなければいちいち辞書を引くのが面倒だったのですが、今はワープロ機能が代替してくれます。アルゴ・ネットの時代に要求された機能のほとんどを外部化できるようになってきているのです。
そういう世の中になると、生きているという本質的な部分、ライブ・ネットの部分が昔に比べると格段に重要になってきました。自分は何のために生まれてきたのか、自分の天命は何なのかという部分が、アルゴ・ネットの時代はそんなことを言っていては食っていけないと馬鹿にされたのですが、今は大の大人が大真面目にそのことを考えなければ生きていけないような世の中になってきたのです。
勇気を持って怖がらずに、現実をひたする現実のままみる「ゼロ・サイクル」を回すことの重要性がどんどん増してきたのです。ゼロ・サイクルを回すためには、そのアプローチをする人がゼロの状態を感覚的でも構わないので認識する必要があります。
ゼロの状態とは、破産を覚悟した経営者や臨死体験をした人だけが持ちうる世界でしたが、前回説明した梵(ブラフマン)の状態に、今は「心のデトックス」という手法で到達することが可能になってきました。「心のデトックス」をかけながら、ゼロの境地を知り、その上でゼロ・サイクルを回し続ければRE(リアリティ・エンジニアリング)が実現できます。
REは、リアリティしか見ませんから失敗することがありません。最初はリアリティが全然感じられないようなプロジェクトでも、ゼロ・サイクルをかけ続けるといつの間にか現実感があるブレークスルーが自然に浮かび上がって来るのです。この過程で生まれてきた様々な奇跡はP・センゲらの『出現する未来』にたくさん紹介されています。次回はゼロになるためのポイントになる心のデトックスについて説明していきます。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/