(写真撮影:泉浩樹)
「天律時代」の到来に向けて
このページは、(株)船井本社社長で「にんげんクラブ」を主催する船井勝仁によるコラムページです。船井勝仁は「これから“天律時代”が来る。そして一人ひとりが“うず”を作っていくことが大事になるだろう」という思いを持っています。それをベースにおいた日々の活動の様子や出会い、伝えたいことなどを語っていきます。
また、「船井幸雄の息子」ではなく、“船井勝仁”の独自性をさらに打ち出していくこともテーマに、これまで父に寄せてきた思いや、「二代目社長」としての方針も語っていきます。
前回、紹介した落合莞爾さんの『金融ワンワールド』(成甲書房)をもう一度読み直しています。インターネットで落合さんの情報を探していると、野村證券の社長になるような人材だった紹介されており、この260ページの本に詰め込まれている情報量はとんでもない量になっていると思います。同書から少し引用します。
(引用開始)
金融ワンワールドは、信用通貨を国債と交換することで金利を稼ぐという従来の略奪方式を今や放棄しました。理由は、日本をはじめとする先進工業国で、深刻なデフレ・ギャップが生じたからです。その背景は中国を代表とする途上国が、先進工業国の先端技術を安い労働力と結びつけ、世界中の工業品市場を席巻したためです。
国内の工業設備の過剰を反映して過剰となった国内資本は、当面金利を生みません。そこで金融ワンワールドは、近代以後の世界では珍しいゼロ金利策の強行を決め、平成7(1995)年の日本で初めて実行に移しました。目的は、大衆の預金から自然金利を奪うためですが、同時に国債金利も低下しますから、金融ワンワールドも従来のような金利稼ぎができません。
(中略)
そこで金融ワンワールドが企んだ新手の金儲けが金融カジノです。彼らは金融カジノの隠れオーナーとなり、カジノのハウス・ルールを自己に都合よく操ることで、信用創造にも勝る大儲けを謀ろうとしているのです。国家が租税の形で国民から得たカネを、金融ワンワールドが効率的に奪い取る仕組みという点では、信用創造も金融カジノも本質的に同類です。
(引用終了)
少し難しい話ですが、搾取の形態が金利を取るということから、金融カジノで巻き上げるという形に変わったということです。
勘の良い方はお気づきだと思いますが、国債は国の借金ですので信用創造で搾取されるということは私たちの税金が金融ワンワールドに貢がれることになります。だから、いままでの制度の中でお金持ちになろうと思うのなら節税対策をして税金を払わないようにしなければならなかったのです。ただ、そんなことをしてお金持ちになっても幸せになることはないので、ビールが毎日おいしく飲めるぐらいのお金が残るのなら、税金を思い切って払ってしまった方が私はいいと思っています。
それが昔は先進国だけで回していた経済の流れに中国やインド、ブラジル等の途上国を巻き込んだ影響でものすごい勢いでデフレが進むようになり、金利が取れなくなってきました。だから、私たちが銀行預金をすることで本来は享受できるはずの自然金利(2%程度)を搾取するために日本で実験的にゼロ金利政策をはじめ、それをアメリカ等の先進国にも順番に導入しているのが現在の金融情勢なのです。
ただ、自然金利は巻き上げられますが、国債の金利も極端な低金利になってしまったので、金融市場で余ったお金をデリバティブやCDS(クレジット・デフォルト・スワップ:いわゆる倒産保険)等の金融カジノに引きずり込んで、自分たちに都合のいいルールで巻き上げる戦略に変わったということなのです。
やっぱり難しくなりますが、副島先生がおっしゃっているように、CDSは他人の生命保険を勝手にかけるような詐欺のような保険商品です。金融的には保険はバクチと同義語ですが、私たちの生命保険が安全なのは「大数の法則」が適用できるからです。
どういうことかというと、私がいつ死ぬかは予想できませんが、大勢の人の保険を引き受けている生保は確率的に契約者のうちの何パーセントぐらいの契約者が死亡するかが予想できます。つまり母数が大きくなることで予測が可能になる大数の法則が適用できるのです。
ところがCDSは、例えばギリシャという国が債務不履行(デフォルト)することに保険を付与するものなので、相対取引(※あいたいとりひき=市場を介さずに売買の当事者同士で売買を行う方法)になり、この大数の法則がまったく適用できない本来の意味でのバクチそのものになるのです。
バクチのルールは胴元(どうもと)が決めますし、一般的なルールで解決できないときは力のある胴元の力量に頼るしか解決の道はありません。いまの金融カジノにおいては金融ワンワールドしかこれを解決する能力はなく、結局彼らのやりたい放題になってしまうというわけです。
いろいろ書いてきましたが、ある人がいまは幕末で言うと慶応3年だと言っていました。つまり翌年が明治元年なので、来年にどんなことが起こるのかは誰にとっても予測が不可能だということです。
デフレが続いても、ハイパーインフレが来ても、政府が崩壊しても、金融マーケットが決済不能になっても、私たちは生きて行かなければなりません。だから、余計な心配をせずに目の前の現実を直視して、しっかりと現実に対処しながら生きていけばいいのではないかと思います。簡単に言うと、開き直って日々をしっかりと生きていく覚悟を決めることが一番大切なのです。
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1964年 大阪生まれ。1988年 (株)船井総合研究所 入社。1998年 同社 常務取締役。同社の金融部門やIT部門の子会社である船井キャピタル(株)、(株)船井情報システムズの代表取締役に就任し、コンサルティングの周辺分野の開拓に努める。2008年 (株)船井本社 代表取締役社長就任。父・船井幸雄の「競争や策略やだましあいのない新しい社会を築くことが本来の自分の役割だ」という思いに共鳴して、持ち株会社である同社の代表取締役社長として父をサポートすることを決意した。
著書には、『中堅・中小企業のためのIT化時代の「儲け」の決め手』(船井幸雄らとの共著 2003年 ビジネス社)、『天律の時代が来た! 生き方の原理を変えよう』(2010年 徳間書店)、『いま明かされるコトダマの奥義』(2011年1月 新日本文芸協会) 、『未来から考える新しい生き方』(2011年9月 海竜社)などがある。
★船井本社の主宰するにんげんクラブ:http://www.ningenclub.jp/
★船井勝仁.COM:http://www.ilir.co.jp/funai_katsuhito/