img

船井幸雄注目の “本物”に携わる人たち

このページでは、舩井幸雄が注目していた、医療、経営、農業、未来予測、占星術などあらゆる分野で活躍する“本物”と言っていい方々を紹介します。それぞれの方に毎月1回、3回ずつコラムを書いていただき、順番にいろいろな方を紹介させていただきます。

2013.01.10(第25回)
★今回の執筆者★
徳間書店 出版局局長 
力石 幸一さん(1回目)
(力石さんの詳しいプロフィールはページ下にあります。)
情報とメディアの切っても切れない関係

●活字メディアはもう時代遅れなのか?
 21世紀は情報革命の時代と言ってもいいでしょう。FACEBOOKやTWITTERといった新しいSNSサービスが情報の世界を一気に変えようとしています。インターネットがグローバルな情報世界を一気に結び付ける役割を果たすようになっているのです。
 そうなると、いままでの新聞や出版といった活字メディアはすでに旧メディア、時代遅れと思われるかもしれません。しかし単純に新旧で分けるだけでいいのでしょうか。
 今回は、アナログな活字というメディアとインターネットに代表されるデジタルメディアの違いについて少し掘り下げて考えてみたいと思います。

●そもそもメディアとは何か
 ひとくちに情報と言いますが、情報とは「ことば」のことです。もちろんテレパシーに近いことはありますし、映像による情報伝達もあります。また顔の表情も能弁な伝達手段です。しかし一番基本になるのはやはりことばです。ことばなしには情報は成立しません。そして、情報はそれを媒介するメディアなしには伝わりません。では、ことばを伝える一番原初的なメディアとは何かといえば、それは「声」にほかなりません。
 昨年末に総選挙がありましたが、選挙活動にこの「声」は欠かせません。スピーカーで「よろしくお願いします」を連呼し、街頭で候補者が演説をする。いまでもメディアとしての「声」は有効です。生の「声」は、ことばの意味以上の情報を伝達する強力な手段となっているのです。
 しかし、「声」は届く範囲がきわめて限られます。移動手段に乏しかった人類史の初期の段階では、小さな集落、あるいはギリシャのような規模の小さな都市国家においてだけ、情報伝達の手段として成立するだけだったでしょう。
 ですから人間が文字を持ってそれを紙に書いたということは、古代社会における情報革命となったのは言うまでもありません。紙の発明によって情報はどこへでも運ぶことができ、書かれたことばを後世まで残すことが可能になりました。古代エジプトのパピルスや中国の紙の発明からおよそ3000年の間、人類は紙というメディアによって情報を伝達してきたのです。
 ところがインターネットの時代を迎えて、紙に代わってディスプレイがことばを表わすメディアとなりつつあります。これまで初歩的な、当たり前のことを書きつらねてきたのも、じつは、このメディアの違いが情報そのものと深くかかわっているということを言いたいからです。

●文字品質が内容を決定する
 ちょっと専門的な話になりますが、書籍に印刷された文字の精細度は、最低でも1500dpi(ドット・パー・インチ。1インチあたりのドット数になります)くらいあります。ところが、PCや電子ブックリーダーで使用されるディスプレイの解像度は、72dpiくらいしかありません。電子的なディスプレイは印刷物に比べて貧弱な表現力しかもっていないのです。しかも、ディスプレイ上の文字はスクロールしてつねに動いています。この文字品質の差が受け手にもたらす影響が、実は想像する以上に大きいのです
 たとえば、同じ出版物でも、現在主流になっているオフセット印刷と昔ながらの活版印刷では、読書体験が微妙に違うといわれます。オフセットは、インクを紙に転写するようにして印刷する方式です。従来の活版印刷ではインクをのせた活字が紙に押しつけられることで印刷されます。活字の跡が紙に残るほど強く印字される活版印刷の方が物理的存在感があるのです。読書家ほど活版印刷の本を好むのは、この物理的存在感の強さがより深い読書体験を与えてくれるからなのです。
 どうやら人間は、文字というものを抽象的に読みとっているのではなく、実在する文字そのものの物理的特性という要素をも含めて内容を理解しているようなのです。このことはメディアの特性と、そこに表現される文章の内容とが深く結びついているということを示しています。

●人間の記憶力とメディアの関係
 どうしても伝えたい、残したいと思う文章があったとして、人はどのようなメディア(媒体)を選択するでしょうか。パソコンのハードディスクではいつ故障してデータがなくなってしまうかもしれません。紙にしても燃えたら終わりです。となると物理的に強く、永年の風雪にも耐えるメディアを選ぶのではないでしょうか。それが「石碑」というものになるのです。石碑に文章を刻むということは、時間という制約を超えてある内容を伝えたい、記憶したいという人間の切実な表現行為なのです。

 人間の記憶には、短期記憶、中期記憶、長期記憶の三つがあるといわれています。
 メディアの物理的強度とのアナロジーでいえば、石碑の文字は長期記憶に相当します。印刷物は中期記憶になるし、インターネットを流れる情報は短期記憶ということになります。そう理解すれば、ディスプレイ上でスクロールしていく情報がきわめて記憶に残りにくいということも納得できるでしょう。
 このように考えてくると、表現力の貧弱な電子端末に頼るインターネットの情報は、スピードは速いかもしれないが、事実やデータを伝えるのみで、内容的には軽く、瞬く間に忘れられてしまうようなものなのではないかという推測もできます。とはいえ、ここで活字の方がメディアとしての表現力が優れているなどと言ってもしかたがありません。問題はもう少し別のところにあるのです。

●ネットで社会はどうなるのか?
 内容が軽く、瞬間的に伝わる情報といえば、まず思い浮かぶのが、「噂」です。インターネットの特性を逆から言えば、「噂」のようなあいまいで根拠のない情報がその高速なネットワークに乗ってまたたくまに広がる可能性が高いということです。
 グーテンベルグの印刷技術は、聖書を印刷するために発明されたようなものでした。

 大量に印刷された聖書によって、キリスト教、とりわけプロテスタントの信仰がヨーロッパで飛躍的に広まりました。またラジオの発明によって、政治的問題を国民が共有することが可能になり、そこで初めて国民的規模での民主主義が可能になりました。ヒトラーの独裁体制もラジオの存在を抜きには語れません。テレビの存在は大衆民主主義(ポピュリズム)を生むことになりました。では、電子メディアは何を生み出すのでしょうか。メディアの特性からいって「噂」や「ノイズ」といった要素を抜きにしてはインターネット社会は語れないような気がします。そうした変数がある種の「ゆらぎ」となって情報空間を短時間に変化させるのです。
 韓国はすでに昨年末の大統領選挙でネットの利用を導入しました。今回成立した安倍政権もこの夏に予定されている参議院議員選挙に、ネット利用を可能にするよう法改正をするようです。確かに安価で情報を伝えられるネットは便利には違いありません。しかし、メディアの特性としての「ゆらぎ」の要素を十分に考慮する必要があると私は考えているのです。

Profile:力石 幸一(ちからいし こういち)

力石 幸一(ちからいし こういち)
1951年、横浜生まれ。1974年、早稲田大学文学部卒業。医学関係の出版社を経て、1980年徳間書店入社。『問題小説』『SFアドベンチャー』など小説誌に関わったのち、一般書籍編集部で主に経済分野の単行本を手がける。現在は出版局局長。

*本稿は、筆者の個人的な見解に基づいています。
バックナンバー
2017.02.10:光冷暖への歩み5 (二枝 たかはる(ふたえだ たかはる))
2017.01.10:光冷暖への歩み4 (二枝 たかはる(ふたえだ たかはる))
2016.12.10:光冷暖への歩み3 (二枝 たかはる(ふたえだ たかはる))
2016.11.10:光冷暖への歩み2 (二枝 たかはる(ふたえだ たかはる))
2016.10.10:光冷暖への歩み (二枝 たかはる(ふたえだ たかはる))
2016.09.10:老いと死を意識して“いまを生きる力”を最大限に発揮する!――いのちの管理者であるあなたこそ人生の主役 (篠原 佳年(しのはら よしとし))
2016.08.10:生死同源 (篠原 佳年(しのはら よしとし))
2016.07.10:レット・イット・ゴー(あるがままに) (篠原 佳年(しのはら よしとし))
2016.06.10:「イメージパワー」で世界を変える! (山岡 尚樹(やまおか なおき))
2016.05.10:「気」で潜在脳力を引き出す! (山岡 尚樹(やまおか なおき))
2016.04.10:「音」で右脳を目覚めさせる! (山岡 尚樹(やまおか なおき))
2016.03.10:新生地球を創るのは私たち (山内 尚子(やまうち なおこ))
2016.02.10:新生地球を生きるためのクリーニング (山内 尚子(やまうち なおこ))
2016.01.10:新生地球を楽しくスタートするために (山内 尚子(やまうち なおこ))
2015.12.10:未来の光エネルギー (末廣 淳郎(すえひろ じゅんろう))
2015.11.10:『電磁波、農業、音響への応用』について (末廣 淳郎(すえひろ じゅんろう))
2015.10.10:次元の高い波動エネルギーの原理原則の一つ 〜『バランスコントロール』について〜 (末廣 淳郎(すえひろ じゅんろう))
2015.09.10:Enex商品総仕上げ(ナノ) (大畠 昌幸(おおはた まさゆき))
2015.08.10:舩井幸雄先生との出逢い (大畠 昌幸(おおはた まさゆき))
2015.07.10:天然鉱石をEnex特殊加工 (大畠 昌幸(おおはた まさゆき))
2015.06.10:大いなる自己が言う「現在の地球の現状」 (天野 聖子(あまの せいこ))
2015.05.10:大いなる自己との対話で学んだこと (天野 聖子(あまの せいこ))
2015.04.10:本物を求めて… (天野 聖子(あまの せいこ))
2015.03.10:“本物”のテンポは人生を変える (片岡 由季(かたおか ゆき))
2015.02.10:“本物”を創りだすテンポ (片岡 由季(かたおか ゆき))
2015.01.10:本物だけが持つテンポ (片岡 由季(かたおか ゆき))
2014.12.10:つながりを知る (政木 和也(まさき かずや))
2014.11.10:明日を知る (政木 和也(まさき かずや))
2014.10.10:自分を知る (政木 和也(まさき かずや))
2014.09.10:人生を支えてくれた、思い、知恵、感情、夢。 (近藤 和子(こんどう かずこ))
2014.08.10:元気な体づくりは、電気信号から (近藤 和子(こんどう かずこ))
2014.07.10:サクラが科学の常識を変えた (近藤 和子(こんどう かずこ))
2014.06.10:ダイエットの新常識と、脳の活性化で人生は充実したものとなる (龍見 昇(たつみ のぼる))
2014.05.10:体が若返ると病気は自然に治る。 (龍見 昇(たつみ のぼる))
2014.04.10:細胞を元気にすれば、体のトラブルの9割は改善する (龍見 昇(たつみ のぼる))
2014.03.10:徒然物語 シメククリの一話 (岡田 多母(おかだ たも))
2014.02.10:徒然物語 ツヅキの一話 (岡田 多母(おかだ たも))
2014.01.10:徒然物語 ハジメの一話 (岡田 多母(おかだ たも))
2013.12.10:カルシウム不足解消こそ健康への近道 (鹿本 剛(しかもと つよし))
2013.11.10:カルシウムは食べるように摂るのが理想 (鹿本 剛(しかもと つよし))
2013.10.10:2500万年前から現代人への贈り物 〜真空カルシウム〜 (鹿本 剛(しかもと つよし))
2013.09.10:カリカから、本物を学ぶ 〜本物を知ることで、人は・・・正直になれる (今尾 充子(いまお みつこ))
2013.08.10:科学的根拠を追求することで、“本物”とは何かを知る (今尾 充子(いまお みつこ))
2013.07.10:野性のパパイアから、本物を知る (今尾 充子(いまお みつこ))
2013.06.10:綾からの発信 〜その3 母としての一筋の道〜 (郷田 美紀子(ごうだ みきこ))
2013.05.10:綾からの発信 〜その2 本ものへの道のり〜 (郷田 美紀子(ごうだ みきこ))
2013.04.10:綾からの発信 〜その1 本ものの定義〜 (郷田 美紀子(ごうだ みきこ))
2013.03.10:世界経済はなぜ不安定化したのか (力石 幸一(ちからいし こういち))
2013.02.10:500年のサイクルで世界を見てみる (力石 幸一(ちからいし こういち))
2013.01.10:情報とメディアの切っても切れない関係 (力石 幸一(ちからいし こういち))
2012.12.10:地球生態系の循環を考慮した新しい社会構想を考える (木内 鶴彦(きうち つるひこ))
2012.11.10:現在の社会構造 (木内 鶴彦(きうち つるひこ))
2012.10.10:地球生態系の中の人類 (木内 鶴彦(きうち つるひこ))
2012.09.10:触ればわかる ― 触診 (森 美智代(もり みちよ))
2012.08.10:スピリチュアル気功 (森 美智代(もり みちよ))
2012.07.10:少食は世界を1つに、地球を天国にする (森 美智代(もり みちよ))
2012.06.10:すべては心のウチに (近藤 洋一(こんどう よういち))
2012.05.10:体の中の森 (近藤 洋一(こんどう よういち))
2012.04.10:森林王国への道 (近藤 洋一(こんどう よういち))
2012.03.10:日本が誇る「メタマテリアル」技術! (清水 美裕(しみず よしひろ))
2012.02.10:過去は変わると知っていますか? (清水 美裕(しみず よしひろ))
2012.01.10:22世紀へ続く科学を求めて (清水 美裕(しみず よしひろ))
2011.12.10:医療における死生観 (池川 明(いけがわ あきら))
2011.11.10:胎内記憶 (池川 明(いけがわ あきら))
2011.10.10:赤ちゃんと会話しながらお産する(池川 明(いけがわ あきら))
2011.09.16:念ずれば花ひらく 〜「花ひらくまで念ずる」〜(平良 和枝(たいら かずえ))
2011.08.12:外と内の世界をつなぐ大切な“お口”〜KAZUデンタルのお口の中は小宇宙〜(平良 和枝(たいら かずえ))
2011.07.10:〜はじめまして〜(平良 和枝(たいら かずえ))
2011.06.10 :EMによる原子力発電所における高濃度放射能汚染対策と使用済燃料の高度利用の可能性について
〜放射能対策に関するEM(有用微生物群)の可能性B〜(比嘉 照夫(ひが てるお))

2011.05.10:EMによる地域全体の放射能汚染対策
〜放射能対策に関するEM(有用微生物群)の可能性A〜(比嘉 照夫(ひが てるお))

2011.04.11:EMによる被曝対策
〜放射能対策に関するEM(有用微生物群)の可能性〜(比嘉 照夫(ひが てるお))

2011.03.10:発明と愛は脳が喜ぶ(矢山 利彦(ややま としひこ))
2011.02.10:船井理論は頭をよくする(矢山 利彦(ややま としひこ))
2011.01.01:脳、気功、武道、クオンタムシフト(矢山 利彦(ややま としひこ))
51コラボセミナー メールマガジン登録 舩井メールクラブ 佐野51.com 舩井幸雄のツイッター