スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-
このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。
イギリスの科学者ジェームス・ラヴロック博士によって提唱された「ガイア仮説」は今はほとんどの人が知っていると思います。これは、「地球はひとつの生命体である」という仮説ですね。
生命が、生命ではない物質と区別される特徴のひとつに「ホメオスタシス(恒常性)」というものがあります。これは身体の中で起こる様々な変化を常に一定に保つ機能です。たとえば、私たちの身体の中には体温や血糖値などを常に最小限の変化にとどめようとする機能です。これと同じように、この星に生命が誕生して以来約38億年間、地球はその気候と環境の科学的特性を常に生命にとって最適に保ってきました。それは地球もホメオスタシスの機能をもっているということであり、それはとりもなおさず地球自体がひとつの生命体だからに違いない。ラヴロック博士はそう考えたわけです。
その生命体のことを、博士と同じ村に住んでいた作家のウィリアム・ゴールディングが「ガイア」と名づけました。ギリシャ神話の「大地の女神」にちなんでのことです。そして、博士はこのガイアを、地球の生命圏(バイオスフィア)、大気圏、海洋、そして土壌を含んだひとつの複合体」と定義したのです。この考え方に従えば、地球上のすべてのものは大きなひとつの地球生命体を構成することになります。つまり、物質レベルの観点からいえば、生物たちを含めて地球上のすべてのものは地球生命体の身体を構成しているというわけでしょう。
ところがこの仮説をさらに一歩進めて考えた人がいます。私の尊敬する天体物理学者で友人でもあった故アーナ・ウィラー博士がその人です。彼はスウェーデン王立科学アカデミーで教授職を務めながらカナリア諸島やアフリカ西海岸の島に太陽観測のための天文台を建て、その功績によりスペイン国王とスウェーデン国王から最高レベルの文化勲章を受章しています。祖父は世界的に有名な劇作家、アウグスト・ストリンドベリです。その彼が1996年に『惑星意識』日本教文社刊)という本を書き、その説を発表しました。
ウィラー博士によると、私たち地球の生命圏は、「プラネタリー・マインド・フィールド」につつまれているというのです。「プラネタリー」とは「惑星の」という意味であり、「マインド」は「心」、「フィールド」は「場」のことです。したがって直訳すると「惑星心場(わくせいしんば)」となります。そして博士は、この「場」が私たちの地球生命圏にあまねく存在し、過去から現在に至るまで人類を含むすべての生命に影響を与えてきたというのです。つまり、この惑星に棲むすべての生命がこの場の中に組み込まれていて、全体として一体となった存在であるというわけですね。
とても新鮮な考え方です。なぜ新鮮かというと、ウィラー博士が次のようにも考えるからです。
1)
この惑星心場が、実は心とか意識といえるような一種の場になっている。
2) その心場では、情報と意識が一体となっている。
3)
そして、その情報や意識が私たちに大きな影響を与えている。
4)
また、私たちもその心場に大きな影響を与えることができる。つまり、多くの人々が良い思いを持ったならば、その心場は良い影響を受けて変わり、その情報や意識が私たちに還元されることになる。
このような考え方を一言で表すと、地球ガイアは単に物質レベルでひとつの全体を構成しているばかりではなく、心を持った大きな生命体であり、その心次第で私たちは良くも悪くもなるということでしょう。だとすると、ぜひとも私たち地球生命体の心を清め、高め、愛と智恵にあふれさせたいものです。そうすればその心のかかわりのもと、人類がそれぞれの文化や立場を超えて相互に理解しあい、平和に共生する社会が実現できるかもしれません。
ともあれ、そういった大いなる心を持った存在としてのガイアに、私はぜひとも新しい名前をつけたい。そう思ってウィラー博士に問いかけてみると、彼はバイキングたちが信じていた愛と美の女神「フレイア」にしようと言ってきました(詳細は拙著『地球は心をもっている』(日本教文社刊))。残念ながら彼は数年前に病気で亡くなりましたが、彼のこの考え方は、「シェルドレイクの仮説」とともに、100匹目の猿現象を説明できるかもしれないとして、私は今も注目しております。
※本コラムの著者・ほおじろえいいち先生は、月刊CD・カセット情報「JUST」9月号にゲストとして登場されています。どうぞお聴きくださいませ!
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1974年埼玉大学理工学部生化学科卒業。東京医科歯科大学医用器材研究所にて約3年間、「ホルモンの生体制御学」なる先端科学に挑戦。1980年に詩集『心的惑星圏』を自費出版。その後短編小説や詩を書いていたが、1993年、光文社より『脳に眠る「月のリズム」』を出版し、科学ジャーナリストとしてデビュー。以来、先端科学とスピリチュアリティ統合を目指して執筆活動を続けている。シェルドレイクの仮説を紹介する『なぜそれは起こるのか』(1996年)はベストセラーになった。
『魂の記憶』(2003年)を出版後は生きる意味に取り組み、ヒーリング・エナジーの研究を始めて、『幸せの進化形』 『ヒーリング・エナジー』(いずれも2005年)を出版。また、2006年12月にロシアのベストセラー本の邦訳版『「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択』、続いて2007年7月に『「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン2―魂の快/不快の選択』ともに
(ヴァジム・ゼランド著 ほ
おじろ えいいち監修 徳間書店刊)を出版。2008年2月に『スピリチュアルの世界がよくわかる本』(中経の文庫)、2009年10月に『ポジティブ思考では、なぜ成功できないのか?』(学習研究社)を出版。2006年に無限波動技術株式会社(Q-Wave
Technologies Inc.)を創設し、Q‐WaveヒーリングDVDなどを提供し始める。2009年12月に『人生を変えたいときに観るDVD』(発売・発行:無限波動技術)を出版。
公式サイト:http://www.eiichihojiro.jp