スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-
このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。
あなたはこれからとても魅力的な新しい恋人と、初めてのデートに出かけようとしています。結婚を視野に入れてもいい相手だけに、デートがうまく行かなかったらどうしようと、あなたは不安になってしまいそうです。さて、どうしますか? あなたはその不安を払拭するために、無意識のうちに作戦を立てはじめます。…
これは今度の新刊書『ポジティブ思考ではなぜ成功できないのか?』(学習研究社刊)の第1章に数ページにわたって書いた文章です。小見出しは、「人生における4つの心理作戦――恋愛バージョン」。4つの心理作戦とは、自己ハンディ作戦、回避作戦、戦略的楽観作戦、防衛的悲観作戦の4つです。
自己ハンディ作戦とは、あらかじめ自分にハンディをつけて、うまくいかなかったときのための言い訳を考えておくというもの。回避作戦とは、うまくいくかどうかわからず不安なので逃げてしまおうというもの。戦略的楽観作戦とは、とにかくポジティブに考えようという作戦、つまり世にもてはやされる「ポジティブ思考」をしていこうというものです。そして防衛的悲観作戦とは、自分の考え方が悲観的(ネガティブ)なので、あることを行おうとするとき心配されるあらゆるよくない事態を想定し、あらかじめそれらの対策を練っておこうという作戦です(アメリカの心理学者ジェリー・ノレム博士による)。
ふだん自分ではあまり自覚していないかもしれませんが、私たちはこの4つの作戦のうち1つを常に自分のやり方とし、自分のやり方以外の作戦はあまり理解しないといいます。たとえば、ふだんから何かとネガティブなので防衛的悲観作戦をとる人は、ふだんからポジティブで戦略的楽観作戦をとる人の気がしれないと思いがちで、あえてそのやり方を採用しようとしてもうまくいかないというのです。しかし、それぞれのやり方は、それぞれのタイプの人たちにとって、不安を克服するためには有効なのです。つまり、人は常に自分のやり方で不安を感じないよう、無意識のうちに作戦を立て、それを実行し、不安から逃れることに成功しているというわけです。
では身近な例として、これら4つのケースを、魅力的な新しい恋人との初めてのデートにあてはめて説明してみましょう。
1)自己ハンディ作戦の場合、まずあなたの行動はどうなるでしょう。考えられるのはこんなものです。デートの時間に大幅に遅れます。遅れる表向きの理由は、仕事が忙しくなってしまったとか、急用のためとなります。不思議なことに、実際に急用ができて遅れてしまうこともあります。
デートに出かけるとき、わざと粗末な身なりをする人もいるでしょう。またデートしている最中、自分は体が弱い人間であるとか、頭が悪い人間だなどとしきりに言ったりします。また、実際にそういうふりをしたり、本当に具合が悪くなったりということがあるかもしれません。
そういう無意識的な行動によって、自分自身にハンディをつけ、相手に好かれなかったとしても、その理由は本当の自分が好かれなかったのではなく、見せかけのハンディのせいだと考えるわけです。だから、デートがうまくいかず、結婚がそれだけ遠のいたとしても、それはデートのときにたまたまあったハンディ(事情)のせいで、本当の自分のせいではないと納得できるし、親など周囲の人も「それなら仕方がない」と諦めることができるというわけです。
2)回避作戦をとる場合、あなたはどういう行動をするでしょう。簡単です。デートから逃げてしまいます。さまざまな理由をつくって、デートが実行されないようにしてしまうのです。たとえば急用や、体の不調など。段階的にデートを引きのばすこともあります。今日は急に都合が悪くなったので来週にしたいなどといって、とにかく目前のデートを回避しようとします。実際に、うっかりデートの日時を間違えたり忘れたりして、すっぽかすこともあります。
3)戦略的楽観作戦の場合はどうでしょう。デートに臨んで、あなたは自分こそ相手にふさわしい、すばらしい人間であることをしきりにアピールします。実際に明るくふるまうし、自分の長所を強調しようとします。そして相手がすばらしい人だと感じたら、自分たちこそ最高のカップルだと信じて疑いません。相手のすべてがすばらしいと見るのです。すべてをひいき目にとらえ、アバタもエクボとして見るということです。
4)では、防衛的悲観作戦ならどうなるでしょう。あなたは、デートでうまくいかないさまざまな状況が次々と思い浮かんでしまいます。しかし、それだけでは終わりません。こういうふうにうまくいかないことが起こったら、このように対処しようと、それぞれのケースごとに対策を考えてしまうのです。
たとえばデートしているときに、思うように自分のことを相手にわかってもらえるような話ができなかったらどうしよう。そのときは、もう自分の話をするのではなくて、相手にいろいろと質問をしよう。そうして相手のいうことを肯きながらよく聞くことにしよう。このようにさまざまなケースを想定し、それが起こったときにはこうしようと、心づもりをするわけです。
そのようなあなたは、デートの前に家族や親友から励まされると、かえって落ちこむ傾向があるようです。このような作戦を無意識にとろうとする人は、デートがうまくいかないことが前提のようになっているので、本当にうまくいかなくても落ちこむことはありません。
現代は神経症の時代とか、鬱(うつ)の時代とかいわれます。私たちの不安や恐怖をあおる様々なニュースが飛びかっています。そんなとき、私たちが不安をうまく克服しながら成功し、幸福を得るために1番有効な方法は、この4つのうちのどれだと思われるでしょうか。心理学者たちによると、実はそれは意外なことに、防衛的悲観作戦なのです。
この作戦をとることができると、うまくいかなかったときは、それを試練ととらえ、耐えることができます。そして次はうまくいくようにしようという希望を持ち続けることができます。ポジティブ思考が良いといわれてもなかなかできないネガティブ傾向な人も、あらゆるよくない事態を想定してあらかじめ対策を立てることができれば、その成果はポジティブ思考の人よりも大きいといえるようです。その意味でいえば、これは大局的にはポジティブ思考を超えたポジティブな生き方といえるのかもしれません。
※「人生における4つの心理作戦――恋愛バージョン」は、ビデオ『心☆サイエンスDVD』の第1巻「シンクロニシティからフローへ」にも一部収録されています。
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※このエッセイは、ほおじろえいいちのメルマガ「Qウエーブ・ハッピネス通信」に掲載されたものに多少の加筆訂正をしたものです。
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1974年埼玉大学理工学部生化学科卒業。東京医科歯科大学医用器材研究所にて約3年間、「ホルモンの生体制御学」なる先端科学に挑戦。1980年に詩集『心的惑星圏』を自費出版。その後短編小説や詩を書いていたが、1993年、光文社より『脳に眠る「月のリズム」』を出版し、科学ジャーナリストとしてデビュー。以来、先端科学とスピリチュアリティ統合を目指して執筆活動を続けている。シェルドレイクの仮説を紹介する『なぜそれは起こるのか』(1996年)はベストセラーになった。
『魂の記憶』(2003年)を出版後は生きる意味に取り組み、ヒーリング・エナジーの研究を始めて、『幸せの進化形』 『ヒーリング・エナジー』(いずれも2005年)を出版。また、2006年12月にロシアのベストセラー本の邦訳版『「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択』、続いて2007年7月に『「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン2―魂の快/不快の選択』ともに
(ヴァジム・ゼランド著 ほ
おじろ えいいち監修 徳間書店刊)を出版。2008年2月に『スピリチュアルの世界がよくわかる本』(中経の文庫)、2009年10月に『ポジティブ思考では、なぜ成功できないのか?』(学習研究社)を出版。2006年に無限波動技術株式会社(Q-Wave
Technologies Inc.)を創設し、Q‐WaveヒーリングDVDなどを提供し始める。2009年12月に『人生を変えたいときに観るDVD』(発売・発行:無限波動技術)を出版。
公式サイト:http://www.eiichihojiro.jp