スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-
このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。
私たち人間はネガティブな感情とともに進化してきたという考え方があります。この考え方を要約すると、次のようになります。
太古の昔、私たちの祖先は外敵と戦い、危険を察知しながら生き延びてきました。その時重要な鍵を握ったのがネガティブな感情です。外敵と戦い、侵入者に抵抗するときに生じるのは、恐怖、悲しみ、そして怒りといったネガティブな感情です。そういう強いネガティブな感情は私たちが生き延びるために必要だったのです。
危険が迫っているから恐怖を感じ、私たちはその危険に備えようとしました。家族や仲間がさらに失われるかもしれないので悲しみを感じ、それ以上に大切な人を失わないように自分たちをうながしてきました。また、侵入者を警戒するために怒りを感じ、侵入者たちに滅ぼされることがないよう自分たちを奮い立たせてきたのです。
進化の過程では、これらのすべての状況においてどう対処するかで、生き延びるか滅んでしまうかの二者択一しかありません。その時重要な役割を担ったのがネガティブな感情です。滅んでしまうという思いが深刻であればあるほど、そこから生ずるネガティブな感情は強く、絶望感さえ抱かせます。
またネガティブな感情は嫌悪感を生じさせ、嫌悪する対象から私たち自身を遠ざけようとし、さらに戦ってそれらを排除させようとします。私たちの祖先はそのようにして自然淘汰をくぐり抜け、優秀な遺伝子を現代にまで残してきたのでしょう・・・。
それではポジティブな感情は私たちの進化の役には立たなかったのでしょうか。米国ノースカロライナ大学の心理学者バーバラ・フレデリクソン博士によると、ポジティブな感情は私たちの知性を磨き、身体能力をはぐくみ、危機に直面したときには勇気を奮い起こさせる。他の人々のことを思い、友情や愛情を育んで、お互いの絆を強くし、さらに新しい考え方を受け入れる柔軟性をも培うことができるといいます。どうやらポジティブな感情もまた、別の意味で私たちの進化に役立ってきたと思えます。
ポジティブな感情は健康と長生きの秘訣であることが示された研究もあります。アメリカ南西部出身で65歳以上のメキシコ系アメリカ人2282人を対象にして行われた調査です。はじめに心理テストをしてその人のポジティブ度合いを調べ、それから2年間にわたって追跡調査をしました。その結果、ポジティブで幸せな人が死亡したり病気にかかった割合は、そうでない人の半分だったというのです。この研究は、少なくとも65歳の時点でポジティブなメキシコ系アメリカ人は、ポジティブとはいえない人よりも健康で長生きすることを明らかにしたわけです。
幼い子供は子犬と同じように愛らしく陽気で機嫌がよいものです。彼らに抑うつの傾向が忍び込むのは、子供時代の後期や思春期の初期。子供や子犬が愛らしいのは、そうすれば大人が愛情を注いでくれるので子供たちの生存が保障されるからです。それは進化上有利に働きます。愛らしさを表現する遺伝子を優位に子孫に伝達することになるのです。また、子供たちの発する生来のポジティブな感情は、子供たち自身を成長へとうながすばかりではなく、親たちにもよい刺激となっているはずです。
ネガティブな感情を経験すると子供や子犬たちは隠れ場所を求めます。もし安全な隠れ場所を見つけることができないと、彼らはそこで動けなくなってしまいます。しかし隠れ場所を見つけ、そこで安全を確認すると、その後再びポジティブな感情をいだいて外に向かい始めます。そして遊びや冒険をするのです。その結果気分が高揚し、成功感覚をいだくと、それはさらにポジティブな感情を産み出し、ポジティブな行動の連鎖が起こるのです。それは子供たちの成長に大きな役割を果たすに違いありません。
しかしながら親として子供を育てたことがある人はわかるはずですが、幼い子供ほどネガティブな感情を表すものです。かんしゃくを起こしたり、すねてむずがったり、あげくの果ては泣き出したり。親たちはよほどしっかりしていないと、自分も怒り出したり、ヒステリーを起こして、口に出してはならない言葉を子供に言ってしまったり、行動してしまったりして後悔するものです。
親としてもっとも喜びに満ちた仕事は、子供たちがネガティブな感情を表したときに、それを認めてあげながら深い愛情をもって消してあげることです。また同時にポジティブな感情を育ててあげて、それが後の人生の資産となるようにしてあげることでしょう。
アメリカの有名な心理学者マーティン・セリグマン博士は、子供が示すポジティブな特性もネガティブな特性も、両方とも真実であり、またホンモノであるといいます。そしてポジティブな感情も、ネガティブな感情も、それぞれに進化の役に立っていると言うのです。
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★ほおじろえいいちのサイエンス&スピリチュアル ショートエッセイはこちら。
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★本コラムの著者・ほおじろえいいち先生は、月刊『ザ・フナイ』3月号にもご寄稿くださいます。『ザ・フナイ』もぜひお読みください!
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1974年埼玉大学理工学部生化学科卒業。東京医科歯科大学医用器材研究所にて約3年間、「ホルモンの生体制御学」なる先端科学に挑戦。1980年に詩集『心的惑星圏』を自費出版。その後短編小説や詩を書いていたが、1993年、光文社より『脳に眠る「月のリズム」』を出版し、科学ジャーナリストとしてデビュー。以来、先端科学とスピリチュアリティ統合を目指して執筆活動を続けている。シェルドレイクの仮説を紹介する『なぜそれは起こるのか』(1996年)はベストセラーになった。
『魂の記憶』(2003年)を出版後は生きる意味に取り組み、ヒーリング・エナジーの研究を始めて、『幸せの進化形』 『ヒーリング・エナジー』(いずれも2005年)を出版。また、2006年12月にロシアのベストセラー本の邦訳版『「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択』、続いて2007年7月に『「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン2―魂の快/不快の選択』ともに
(ヴァジム・ゼランド著 ほ
おじろ えいいち監修 徳間書店刊)を出版。2008年2月に『スピリチュアルの世界がよくわかる本』(中経の文庫)、2009年10月に『ポジティブ思考では、なぜ成功できないのか?』(学習研究社)を出版。2006年に無限波動技術株式会社(Q-Wave
Technologies Inc.)を創設し、Q‐WaveヒーリングDVDなどを提供し始める。2009年12月に『人生を変えたいときに観るDVD』(発売・発行:無限波動技術)を出版。
公式サイト:http://www.eiichihojiro.jp