スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-

このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ　えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。

　私たちはともすると過去の悪い思い出をいつまでも心に持っていて、ことあるたびにそれを思い出し、あるいはこだわって、現在の生活に良からぬ影響を与えてしまいがちです。　
　なぜ現在の生活に影響を与えるのかというと、私たちにとって、時間の流れは常に今しかないからです。過去にこだわっているのも、それは現在の心の現象です。過去の悪い思い出が、現在の自分の心を支配しているから、現在も過去のままになっているといってもいいでしょう。ほんとうは過去に経験した悪い出来事は、すでに過去であって、現在の時の流れとは無関係なはずなのに。でも心の中の過去が現在を支配している。それでは決して今の人生が幸せとはいえないでしょう。

　人はみな常に良い思い出となることばかりを経験しているわけではありません。多くの人はいくつもの悪い思い出となる経験をするものです。そこで、アメリカのポジティブ心理学者マーチン・セリグマン博士は、幸せを得るためには、過去の「悪い思い出」を「良い思い出」に変えることが大切だと説きます。

　そして、そのためには、「感謝の心」と「容認する心」を育てるとよいというのです。「感謝の心」はよくわかると思いますが、「容認する心」とは何か少しわかりづらいかもしれません。これは、過去の出来事にポジティブな意味を見いだし、悪い出来事でも、それをあなたに向けた人や状況を許し、忘れていくということです。

　たとえば、自分は幼いころ両親の不仲にさんざん苦しんだので、両親についての良い思い出はないと思うのではなく、自分は両親の不仲を見せつけられることで仲の良い幸せな家庭を作ろうと努力できた。もしあんな両親でなければ、自分も同じように悲惨な家庭をつくっていたかもしれない。だから両親を怨んでも仕方ないし、それが自分の両親なのだから仕方ない。もうそんなことは忘れよう…ということですね。そして、もう一歩進むと、あんな両親だったからこそ今の幸せが作れたのだから、感謝しなければということになるのでしょう。

　しかし、その感謝にも程度が何段階かあるようです。ポジティブ心理学に、感謝度を調べる簡単なテストがあるのでご紹介してみます。次の６つの問いに対して、あなたの同意感覚の強さを７〜１の数字で表してください。

７点＝まったくその通りだと思う
６点＝そうだと思う
５点＝たぶんそうだと思う
４点＝同意でも不同意でもない
３点＝たぶんそうではないと思う
２点＝そうではないと思う
１点＝ぜんぜんそうは思わない

【６つの問い】
（１） 何かに、あるいは誰かに感謝できるようになるには、非常に時間がかかるはずだ。
（２） 世界中を眺めてみたところで、しょせん感謝すべきことなどたいしてないものだ。
（３） 自分の人生を振り返ってみると、感謝すべきことがたくさんある。
（４） 感謝しているすべてのことがらを書き出すと、とても長いリストになる。
（５） さまざまなタイプの人たちに感謝している。
（６） 年をとるにしたがい、自分の今までの人生に登場した様々な人々や出来事、状況に深く感謝できるようになった。

　このテストの採点法は次のようにします。
（１）と（２）については、それぞれ８点から自分の付けた点を引く。たとえば（１）に２点をつけたら、８−２＝６点となります。（２）に１点をつけたら、８−１＝７点です。
（３）〜（６）については自分の付けた点。
それらの点をすべて合計して出した点（満点は４２点）によって、次のように評価します。

　　６〜３５点　感謝の心に欠けている
　３６〜３８点　感謝の心が大きいとは言えない
　３９〜４１点　感謝の心がある
　４２点　　　　とても深い感謝の心がある

　いかがでしょう。あなたの感謝度はどのくらいでしたか？　ひとことで「感謝」と言いますが、案外に、深く感謝できるというのは難しいことなのなのかも知れません。

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