スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-
このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。
執筆の取材と夏期休暇を兼ねて8月後半の10日間、イギリスに行ってきました。滞在期間中はファーストクラスの列車に自由に乗れるチケット(※注)を買って、ロンドンからイギリスの東側を北に上り、スコットランドから今度は西側を南に下って、急行列車の旅を楽しみました。車窓から見るのどかな田園風景や海や山の景色はとても美しいものでした。途中5か所に2日ずつ滞在したのですが、とりわけエディンバラは印象に残りました。
この街はスコットランドの首都で歴史的な建造物が集まっており、そこに近代的な建物が混じった不思議な感じのするところです。街全体がユネスコの世界遺産に登録されていることもあり、一度は行ってみる価値のあるところだと思います。街に入った時期がちょうどフェスティバルのただ中にあったためか、世界中から集まった観光客と祭りを楽しむ地元の人々が入り乱れて、今までに体験したことのないような奇妙なカオスさえ私は感じました。
日本食のレストランがあったので、そこに入って夕食をとりながら窓の外を見ていると、ツアーを組んで来たと思われる何組もの団体客が、あるスポットの前で写真を撮る様子がうかがえます。それはとても小さなモニュメントのようです。携帯したガイドブックを調べると、どうやらそこに「ボビーの像」なるものがあるようです。しかしガイドブック(『地球の歩き方』)にはそれがどういうものかは書かれていません。
そこで夕食後さっそくそこに行ってみると、小さな犬の像です。たしかスカイテリアとかいう種類だったと思いますが、小さな体で、目の上から長い髪のような毛が垂れ下がっているかわいい犬です。私はその犬の像の由来がどうしても知りたくなって、翌日も同じレストランに行き、そこでアルバイトをしているエディンバラ大学の日本人留学生(女性)に聞いてみました。すると次のような話を聞くことができました。
ボビーはある男性の愛犬でした。その男性は仕事がうまくいかなくなったため、夜この街を警備する仕事(エディンバラ市警)に就くことになりました。ボビーは彼が夜街を歩くとき常に一緒についていたため、ちょっとした評判になりました。しかし、その男性はすぐに病気で亡くなってしまったのです。そして教会の墓地にひっそりと埋葬されました。その後ボビーは自分が死ぬまでの14年間、彼のお墓の傍にいつもいたというのです。
日本に帰ってから調べてみると、この話はかなり有名で、本や映画にもなっているとのことでした。この男性の名前はジョン・グレイ。結核で亡くなったそうです。グレイとボビーは2年間一緒に暮らし、グレイが亡くなった後ボビーは食事のとき以外はずっとグレイのお墓で時を過ごしたというのです。この感動物語を知って、エディンバラを訪れる観光客の多くがこのボビーの像を見に来ていたのです。
愛犬とその飼い主は死後も魂のレベルで何かがつながっているのでしょうか。形成的因果作用の仮説(シェルドレイクの仮説)を提唱したことで有名なイギリスの科学者ルパート・シェルドレイクは、愛犬と飼い主は一種の場(モルフィック・フィールド)でつながっていると考えています。外出している主人を家で待つ愛犬は、主人が帰ろうと思った瞬間に家の玄関に移動して主人の帰りを待つという行動をとります。これも愛犬と主人の心が何らかの形でつながっているひとつの証拠だというのです。
拙著『魂の記憶』(日本教文社)にも紹介しましたが、イギリスには亡くなった愛犬とその主人が魂のレベルでつながっていることを示唆する逸話もあります。ある老人は長い間ローヴァーという名前の犬と一緒に暮らしていました。毎朝一緒に買い物に行き、午後は一緒に昼寝をして、気候のよい夜は一緒に長い散歩を楽しんでいました。ところがある日、ローヴァーは死にました。老人は初めてローヴァーのいない寂しさを味わい、何週間も悲しみにくれたのです。
しかし、ある出来事が老人を立ち直らせました。いつものように昼寝をしていると、犬が自分の手をなめている温かい舌の感触で目が覚めました。見るとそこには生前の姿そのままにローヴァーがしっぽを振っていたのです。夢でも幻でもありません。ローヴァーはありありと老人の傍に存在していたのです。ローヴァーは死後もなおこの世の人たちとは異なる次元で生き続けていました。それを知った老人は喜びにふるえ、深く神に感謝したといいます。老人は、もう悲しみにくれる必要はありませんでした。
エディンバラは古い街だけあって、幽霊ハンティングのツアーなどもあります。ちょっと怖そうなのでこのツアーには参加しませんでしたが、ボビーにまつわる逸話が残るなど、けっこう霊的でスピリチュアルな世界を感じるところでした。
(※注)「Britrail Flexi Pass」といって、日本で購入できるものです。これさえ持っていればたいていの鉄道のファーストクラスの席に予約なしで乗れるので、とても便利です。イギリスでいちいち駅の窓口で切符を買うと高くついてしまいます。
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1974年埼玉大学理工学部生化学科卒業。東京医科歯科大学医用器材研究所にて約3年間、「ホルモンの生体制御学」なる先端科学に挑戦。1980年に詩集『心的惑星圏』を自費出版。その後短編小説や詩を書いていたが、1993年、光文社より『脳に眠る「月のリズム」』を出版し、科学ジャーナリストとしてデビュー。以来、先端科学とスピリチュアリティ統合を目指して執筆活動を続けている。シェルドレイクの仮説を紹介する『なぜそれは起こるのか』(1996年)はベストセラーになった。
『魂の記憶』(2003年)を出版後は生きる意味に取り組み、ヒーリング・エナジーの研究を始めて、『幸せの進化形』 『ヒーリング・エナジー』(いずれも2005年)を出版。また、2006年12月にロシアのベストセラー本の邦訳版『「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択』、続いて2007年7月に『「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン2―魂の快/不快の選択』ともに
(ヴァジム・ゼランド著 ほ
おじろ えいいち監修 徳間書店刊)を出版。2008年2月に『スピリチュアルの世界がよくわかる本』(中経の文庫)、2009年10月に『ポジティブ思考では、なぜ成功できないのか?』(学習研究社)を出版。2006年に無限波動技術株式会社(Q-Wave
Technologies Inc.)を創設し、Q‐WaveヒーリングDVDなどを提供し始める。2009年12月に『人生を変えたいときに観るDVD』(発売・発行:無限波動技術)を出版。
公式サイト:http://www.eiichihojiro.jp