スピリチュアル・エナジー-ほおじろえいいち氏-
このページは、科学ジャーナリストの
ほおじろ えいいち氏によるコラムページです。
ほおじろ氏は、先端科学とスピリチュアリティの統合を目指した内容の執筆をされています。
1月5日夜7時30分からNHK総合テレビで『もっと知りたいノーベル賞 小林さん・益川さんにとことんQ』 という番組をやっていました。偶然つけたテレビでしたが、内容がとても 面白く、引き込まれているうちに最後は感動して目頭が熱くなってしまいました。
一番感動したのが、オワンクラゲが光るメカニズムを発見した下村脩さんの話です。実は、私も大学生時代、下村さんのように海の生物を相手に格闘している科学者の卵(?)でした。ウニの赤ちゃんをカルシウムとマグネシウムを抜いた海水に入れておくと、その細胞がばらばらになってしまいます。そこへウニからとったあるタンパク質を加えると、バラバラになった細胞が再び集まって元のウニの赤ちゃんになります。私はこの不思議な現象のメカニズムを追求し、海水のpH(水素イオン濃度)がこの現象に関係しているという小さな発見をしたのですが、指導教官はそのタンパク質の構造を追究していました。
ある教授は生化学の授業の時に、「生化学は、1に体力、2に体力、3、4がなくて、5に体力」と口を酸っぱくして私たちに教えてくれたものです。つまり、ある生物が持つ特殊な微量たんぱく質の構造を究めようと思ったら、明けても暮れてもその生物をすりつぶして、その物質の抽出作業を続けなければならない。それにはまず体力、そして努力を続けること。そうすれば必ずうまくいくというのです。
下村さんは、まさにこれを実践していました。アメリカのある海岸近くに移り住み、実に17年の間に5万匹ものオワンクラゲを家族総出で捕獲し、ひたすら発光物質の抽出収集作業に明け暮れたのです。彼はある質問に対し、「それは努力が足りない!」と一喝。とにかく成功するには自分を信じて努力し続けるしかないというのです。それは、私が学生時代に教わった生化学者たちの信念そのものであり、これはまた人生のすべてに通ずる真理とも言えるでしょう。
「自分の子どもをノーベル賞科学者にするにはどうしたらよいか」という質問に、下村さんは「自然現象への興味を持たせなさい。そして、興味をもったら、それを抑えてはいけません。どんなにくだらないことに見えても」と答えます。
ここで思わず私はアインシュタインの言葉を思い出しました。「最初にバカバカしいと思わないアイデアについては、そのアイデアに望みはない」。子供たちの考えることは大人にはくだらないものに見えることが多々あります。しかし、そういうものの中に素晴らしい発見が秘められている可能性があるのです。実際に科学の発展は、つねに一見バカバカしいと思えることの研究から始まっています。
下村さんはある時、「生物の発光だから、タンパク質が関係しているはず。それならpHが影響するのではないか」と直感。実際に、溶液を酸性(pH4)にしてみると、やはり光りませんでした。そしてある時、溶液を流しに捨てた瞬間、流しの中がバーっと青く光ったのです。番組でもこのエピソードが実にリアルに再現され、実に感動的でした。
下村さんの発見がノーベル化学賞に輝いたのは、この青く光る物質(イクオリン)とは別の緑に光る物質(GFP)もオワンクラゲから抽出し、その発光原理を明らかにしたこと。そして、GFPを、調べたいタンパク質とくっつけて使うと生体内の微量タンパク質の動きがその光で手に取るようにわかること。それが科学の発展に大きく貢献できたからです。
発光生物には、オワンクラゲのほかにもホタル、ホタルイカ、ツキヨタケ(キノコの仲間)、ヒカリゴケ、夜光虫などいろいろあります。その光は夜の闇に浮き上がると、どれも神秘的に輝くので私はとても好きです。生物たちがこういう蛍光を発しているということ自体に、神秘を感じざるを得ないからです。
ところで、私たち人間もまた発光していることをご存知でしょうか。その光は発光生物たちの蛍光とは少し違い、またその光るメカニズムはまだよくわかっていません。しかし、目の良い人やサイキックな人たちには、私たちの身体や手から発せられている光を実際に見ることができます。昔の人は聖者から発せられる光がとても強く清らかなので、それを光背やオーラとして絵画にも描いてきました。現代科学技術でも、その様相が映像化できるようになっています(その一例は、こちら)。私たち人間を含め、動物、植物などあらゆる生き物たちが、いろいろな形で光り輝きながら生きているのです。
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1974年埼玉大学理工学部生化学科卒業。東京医科歯科大学医用器材研究所にて約3年間、「ホルモンの生体制御学」なる先端科学に挑戦。1980年に詩集『心的惑星圏』を自費出版。その後短編小説や詩を書いていたが、1993年、光文社より『脳に眠る「月のリズム」』を出版し、科学ジャーナリストとしてデビュー。以来、先端科学とスピリチュアリティ統合を目指して執筆活動を続けている。シェルドレイクの仮説を紹介する『なぜそれは起こるのか』(1996年)はベストセラーになった。
『魂の記憶』(2003年)を出版後は生きる意味に取り組み、ヒーリング・エナジーの研究を始めて、『幸せの進化形』 『ヒーリング・エナジー』(いずれも2005年)を出版。また、2006年12月にロシアのベストセラー本の邦訳版『「振り子の法則」リアリティ・トランサーフィン―幸運の波/不運の波の選択』、続いて2007年7月に『「願望実現の法則」リアリティ・トランサーフィン2―魂の快/不快の選択』ともに
(ヴァジム・ゼランド著 ほ
おじろ えいいち監修 徳間書店刊)を出版。2008年2月に『スピリチュアルの世界がよくわかる本』(中経の文庫)、2009年10月に『ポジティブ思考では、なぜ成功できないのか?』(学習研究社)を出版。2006年に無限波動技術株式会社(Q-Wave
Technologies Inc.)を創設し、Q‐WaveヒーリングDVDなどを提供し始める。2009年12月に『人生を変えたいときに観るDVD』(発売・発行:無限波動技術)を出版。
公式サイト:http://www.eiichihojiro.jp