「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

日本の世界遺産のうち、自然遺産は、
屋久島、白神山地、知床、小笠原諸島の４つです。

いつかは行ってみたいと思っても、
自然遺産の登録基準が
（７）　ひときわすぐれた自然美及び美的な重要性をもつ最高の自然現象または地域を含むもの。
（８）　地球の歴史上の主要な段階を示す顕著な見本であるもの。
（９）　陸上、淡水、沿岸および海洋生態系と動植物群集の進化と発達において、進行しつつある重要な生態学的、生物学的プロセスを示す顕著な見本であるもの。
（１０）　生物多様性の本来的保全にとって、もっとも重要かつ意義深い自然生息地を含んでいるもの。

であるため、アクセスが不便で、なかなか実現できない、
という方も多いと思いますので、
今回は、「屋久島」について、記したいと思います。

屋久島へは、鹿児島から、空路か航路で行きます。
鹿児島空港から飛行機で３０〜５０分か、
ＪＲ鹿児島中央駅からバスで２０分または空港から１時間の場所にある港から
高速船で２〜３時間か、フェリーで４時間です。

私の場合、羽田空港−鹿児島空港２時間弱、
鹿児島空港で少し待って、屋久島空港まで３５分という経路で、
朝家を出て、午後2時頃にはホテルに入ることができ、
殆ど歩かず、とても楽な移動でした。

屋久島の大きさは、車で一周１時間半ほどですので、
島内の移動手段は、レンタカーが便利です。
１ヵ月に３５日は雨が降る、と言われるほど、毎日、雨が降るので、車は必須です。
空港近くでレンタルして、帰りに返却します。

ドライブしているだけで、道路で毛繕いしている猿や、鹿に出あえますし、
屋久杉、滝、温泉巡りや、ウミガメの産卵、などなど、多くの体験ができます。

屋久杉巡り
屋久島の標高５００ｍ以上の場所に自生する樹齢１０００年超の杉が、「屋久杉」と呼ばれます。
近くへ行くと、あまりにも高くて、上のほうは見えず、
その大地のパワーと、木の生命力、強烈なエネルギーに圧倒されます。

最も有名な「縄文杉」は、樹齢２１７０年とも、７２００年とも言われ、
樹の一周が１６．４ｍ、高さ３０ｍ。
根を踏まないように、少し離れた展望台から見ます。

屋久杉の生命力

紀元杉

見学のためには、早朝、朝食・昼食、お菓子、飲み物を持って、荒川登山口へ行き、
片道１１ｋｍ、標高１２８０ｍまで延々歩きます。
途中、「三大杉」、「ウィルソン株（巨大な切り株。中は１０畳もある）」、
「翁杉」、「大王杉」、「夫婦杉」などがあります。
トロッコ道や木の歩道や階段がある場所は雨が降らなければ歩きやすいですが、
本格的な登山という場所もあり、往復で１０時間かかるので、
時間管理と体力、トレッキングシューズが必須です。

「うわぁ、やっぱり大変なんだ〜」と思われましたか？
大丈夫、楽〜に行ける、有名な杉があります。
それは、樹齢３０００年の「紀元杉」。
舗装された道のすぐ脇にあり、車で真ん前まで行けるので、どなたでも行けます。

縄文杉と違って、間近で見られ、その迫力とパワーを感じることができます。
この木の枝の元から、ツツジやナナカマド、ヒノキなどが生えていて、
紀元杉自体が、大地のよう。
一見の価値、大です。

自然が守られているヤクスギランド。ハードでビックリ

苔むす森

いろいろな種類の屋久杉を一気に見るなら、「ヤクスギランド」がお薦めです。
「縄文杉」まで行かなくても、ここだけで十分。
入ってすぐに、壮大な自然に囲まれ、
屋久杉が蘇生する地球のパワーを満喫することができますよ。
樹高３３．８ｍと、「縄文杉（３０ｍ）」より高い「天柱杉」や、風格のある「ひげ長老」、
「母子杉」、「双子杉」、「仏陀杉」に出合えます。絶妙な名前に頷くことでしょう。

３０分コース、５０分コース、８０分コース、１５０分コースがあり、
８０分と１５０分のコースは、「ランド」という軽いネーミングとは裏腹に、
かなり本格的な登山道ですので、トレッキングシューズは必須です。

白谷雲水峡
木々と苔の緑、白い霧、渓流のせせらぎ。
マイナスイオンに満ちた神秘的な森は、まさに幽玄の世界。
名所の多い屋久島の中でも、一番のお薦めの地です。
数々の絵画や、「もののけ姫」のししがみの住む森のモデル、「苔むす森」までは、
かなり急な斜面や、大岩を越え、約１時間半、その先太鼓岩までは、さらに１時間半かかります。

白谷雲水峡。この石の上を渡ります

白谷雲水峡入口すぐの岩場 白谷雲水峡入口近く

途中、雨が降ると、小川が増量して、渡るのに足が濡れてしまったり、
場所によっては傘もさせないので、健脚でないと、大変だと思います。

でも、ご心配なく。
遠くまで往復せずとも、白谷雲水峡の入り口の広場からすぐに、
苔に覆われた神秘に満ちた森があります。
奥まで進まなくても十分。
この森の中に身を置き、深呼吸すれば、芯から安らぎ、溶けてしまいそうな感覚を味わえます。
日頃のストレス疲れも、さぁーっと吹き飛んでしまいます。

ウミガメの産卵
５〜７月は産卵、７月下旬〜８月は孵化する様子が見られます。
つまり、今頃は、産卵と孵化が同時に見られるお薦めの時期です。

場所がわかれば、レンタカーで、直接砂浜へ行くこともできますが、
いつ浜に来るかわからないことと、光や音はタブーなので、
ツアーに参加されたほうがいいと思います。
産み始めたら、近くで観察できます。

産卵するウミガメさん

真後ろで見守りました

全く来ない日もあれば、途中で引き返してしまうこともあるし、
一晩で、アカウミガメ、アオウミガメがやって来ることもあります。
時間をかけて砂を掘り、本当に涙を流しながら産む様子に感動しました。

屋久島は、他にも、大川の滝や、温泉など、たくさんの名所があります。
屋久杉も、苔の森も、ウミガメの産卵も、環境保護のため、
そのうち見られなくなるかもしれません。
いつか行きたい、と思っていらっしゃるなら、是非すぐに計画されることをお薦めします。
悠久の大自然から、地球や宇宙からのメッセージを感じ、
自然や人間と向き合う、素晴らしい旅となることでしょう。