「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

日本には古くから伝わる季節の行事や風習があります。
それらを次の世代に繋ぎたいという想いで、12年ほど前から
「代官山Nahomilly」というブランドで作っている犬・猫・人間の服に、着物やお被布、法被や鯉口、どんぶり（腹掛）などを加えています。

	現代の日常生活では接する機会がなかなかないので、若い方は、浴衣を「ゆたか」とおっしゃったり、浴衣や着物の前合わせについて、左右どちらを上にするかわからなかったり、「おはしょり」をご存じなかったりします。
私が作った人間用と犬用の浴衣

着物の前合わせは、右手が襟元に入るように、と覚えると簡単ですね。
左手が襟元に入るのは、左前と言い、
おはしょりは、着物の丈が長く余る分を、帯の下で折り込んだ部分です。

お盆
今、８月１５日頃の夏休みについても、お盆休み、とおっしゃる方が多いですね。
実は、お盆の時期、お中元の時期は、地域によって異なります。

東京のお盆は、７月１３日に迎え火、１６日に送り火。
ですから、私には、８月中旬のお休みをお盆休みと言うのは、少しばかり違和感があります。
お盆は、盂蘭盆会（うらぼんえ）の略で、元々、旧暦の７月１５日の頃に、先祖の冥福を祈る仏事でした。
ご先祖様（の霊）が、この期間、浄土から地上に戻ってくると考えられ、迷わないように、「おがら」という麻の茎を玄関前で燃やして、迎え火を焚いてお迎えし、供物を備え、棚経をあげ、お墓参りをし、送り火を焚いてお送りします。
京都東山の大文字焼き、灯籠流し、精霊流しなども送り火です。

お供えは、先祖が浄土との行き帰りに乗る精霊馬。
キュウリは、馬を表し、少しでも早く来られるように。ナスは牛を表し、変える時はゆっくりと、という意味が込められているそうです。
新暦の７月１５日を中心にする東京、旧暦の７月１５日に行う沖縄などの地域、８月１５日を中心にする地域があります。

なぜこのように、地域によって時期が違うかというと……
明治政府により、明治５年１２月３日が新暦の明治６年１月１日となるという改暦が行われ、その後、旧暦が新暦に切り替えられるのに時間がかかったために、お盆や七夕の時期が、地域によって異なってしまったようです。

お中元の時期も、関東では、６月下旬から７月下旬までで、８月に入ると残暑見舞いとして贈ります。関西では、７月下旬から８月１５日頃までです。
お中元のルーツは、中国古来の「三元」という祭り事で、「上元」は１月１５日、「中元」は７月１５日、「下元」は１２月１５日です。

この「中元」に、仏教の盂蘭盆会（うらぼんえ・７月１５日）が重なって、祖先の霊にお供えする物を親類や隣近所に配る習慣、が明治３０年代から転じて、お世話になった人に贈り物をする習慣になったのだそうです。

つまり今は、先祖や故人、いつもお世話になっている人に感謝を捧げる時期なのですね。
私は先祖のお迎えとお送りは７月にしていますので、８月は舩井会長のお墓参りに伺おうと思っています。