「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

2016.07.15（第79回）

最近よくＴＶ出演もしている文具ソムリエの菅 未里さんが、
「家事ちゃんとやってる？」なんて聞かないで。
外で働く女性が追い詰められる言葉のひとつだと思う。
「家事ちゃんとやってる？」じゃなくて「ちゃんと休んでる？」って私は聞きたい。
とFacebookに投稿しました。
ブログに少し詳しく書いています。

私も５０代半ばの今でこそ、訊かれなくなりましたが
結婚したら仕事を辞めるのが当然の時代でしたし、
以前は、こんな風に言われることもありました。
でも私の場合、家事は、ちゃんとどころか、全然やってません。
家事と仕事、両方がんばるって、無理なんです。

私の場合は仕事が優先。
舩井会長に、職住は近いほうがいい、と教わって、
会社の前に住んでいるため、起きて支度したらすぐ会社へ行き、
寝る直前まで仕事。
それは社長として責任があるから、ですけれど、
そうさせてくれるのは、家族の協力があってこそ、と
いつもひっそり感謝をしています。

イリアールには、小さいお子さんのいる社員が４人います。
うち２人が女性、働くママ。
代官山Nahomillyの縫製も、在宅でしてくれているママ達がいます。

もし私が小さな子供の世話や親の介護をしていたら……
どんなに大変だろうと思うと、
「社員の皆さんのお子さんは、私たちの会社の子供でもある。
　みんなで（子育てに）協力しましょうね」
という言葉が自然に出てきます。

外で働くママは、本当に大変です。
外での仕事に加えて、母として、妻として
送迎・通勤、掃除、洗濯、買い物、朝晩の食事作り、
子供の支度に自分の支度、教育、お風呂、寝かしつけ……
学校行事にＰＴＡ……
それはそれは、たくさんやることがある。

折しも都知事選が始まり、子育て・介護についての政策が論じられています。
まずは保育園に入れること、
料金が安くなること、
安心して預けられる人がいること
ここは政治に期待したいところですが、
それだけでなく、私たち一人一人も、
身近なママを応援しましょう。

会社としては、産休・育休に伴う負担は正直なところ大変です。
でも即戦力の社員が戻ってきてくれることは、それ以上の価値がある。
大歓迎です。

ママ側から見ても、仕事を通じて視野が広がったり
経済的にも余裕ができたり、人生が豊かになるメリットもあるのでは……。

他の人と同じように仕事をしたいのに、子供のために帰らなくてはならない、
残業や出張ができない……
彼女たちが、そうした事で負い目を持ってしまわないように、
同僚や上司、そして家族のちょっとした一言、
ちょっとした配慮、思いやりが必要なんじゃないか、と思うこの頃です。