「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方
このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を2006年から務める(※2022年退任)乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。
「超近代都市ドバイ」に学ぼうA
続々とビルが建設されているドバイマリーナエリア |
前回に引き続き、ドバイについてお知らせします。
ドバイは、埼玉県くらいの砂漠で、中東にありながらほとんど石油が出ず、産業もない超小国。
その資源も土地も産業もない国が、いかにして、この数年で急成長し、国民が裕福になり、「住みたい国No.1」と言われるまでになったのか?
その繁栄は、先々代首長が抱いた夢と、現首長の緻密な戦略にあります。
それはどのようなものなのでしょうか?
まずは、ドバイの歴史から、ひも解きましょう。
元は砂漠しかなかった この20年で近代都市に |
◆ドバイの歴史
砂漠ですから、元々は誰も住んでいなかったそうです。
国としての歴史が始まるのは、1830年代に、隣国アブダビの首長の親戚が移住し、ドバイ首長国が建国されたところからです。
産業と言えるものは、天然真珠の採取くらいでした。
1853年、イギリスの保護区となり、
次第にイギリスと東洋との中継貿易港となる。
天然真珠の交易は、御木本幸吉の人工養殖技術開発成功によって、
ヨーロッパでも養殖真珠が宝石と認められるようになり、衰退。
1960年頃、建国の父と言われるラーシド首長が、近代化を夢見て
クウェートからの借金で運河・港・道路・学校などを整備。
1971年12月2日、他の6つの首長国と共に、イギリスから独立、アラブ首長国連邦を結成。
1981年、経済特区と大型港、1985年、エミレーツ航空を就航。現在の繁栄の礎を築く。
1990年、ラーシド首長の逝去で、皇太子となった現首長モハメッドにより、
海外からの投資を集め、近代化が加速。中東における観光と商業の中心となる。
1999年12月1日、海の中に建つ、世界最高級の高層ホテル 「ブルジュ・アル・アラブ」開業
2001年、宇宙から見える椰子の形の人工島 「パーム・アイランド」着工
2003年〜 ドバイマリーナ地区の開発。
世界一高い100階超のマンションや、ホテルなどが200棟以上も建ち並ぶ、世界最大のマリーナ。
世界一高いビル「ブルジュ・カリファ」160階建828.9m |
2006年、兄マクトゥーム首長の逝去により、モハメッドが首長となり、世界一戦略に拍車がかかる。
2008年9月15日、リーマンショック
2009年11月、ドバイ・ショック
2010年1月4日 世界一高いビル「ブルジュ・カリファ」開業
2013年10月27日、世界一の広さの新空港「アル・マクトゥーム」開業
2020年、万国博覧会開催。DWC
つまり、砂漠にマンハッタンのようなビル群ができたのは、21世紀になってから。
特に、ここ5年の間に、何百もの超高層ビルが建ち、
他に類を見ない、超近代都市が出現しました。
ドバイ・ショック以降、ドバイは工事が滞り廃墟化している
という話を信じている日本人が多いようですが、
翌2010年にはGDPが回復、その後も4%台の成長を続け、
現在、2020年の万博に向けて、堅調に成長中です。
着工時の「ブルジュ・カリファ」 |
「ブルジュ・カリファ」の展望台452mからの眺め。 影に注目。右側の63階建のビル (東京タワー程)が小さい。 |
◆その戦略は、とにかく世界一
そこには、アラブにありながら石油が出ないドバイだからこそ考え出したトップ(現首長)の戦略とリーダーシップがありました。
知れば知る程、その戦略と実行力に驚くことでしょう。
とにかく世界一にこだわり、
世界中から「人・物・金」を集めて、世界一のハードを創った結果が、今のドバイの繁栄
なのです。
1980年代。何もない砂漠に、
フリーポート政策のショッピングやアラビア湾に面したリゾート開発で観光客を集め、経済特区を数ヵ所作り、企業を集めました。
経済特区では、外資100%で法人が作れます。
(他の場所では、現地企業51%以上外資49%以下で合弁企業を作らなければならない。)
法人税や所得税は無税、外貨および現地通貨の持ち出し・持ち込みも無制限です。
こうした制度や、港・空港・航空会社を充実させ、
世界一の建造物を次々にプランニングし、
世界中から、「人・物・お金」を集めたのです。
21世紀になり、日本が、
「2位じゃダメなんでしょうか?」
なんて言っている頃、
ドバイでは世界一が、どんどん造られていました。
「世界一でなければならない。」
それがドバイ首長の答え。
2位では誰も覚えていない、興味を持たないからです。
海上に聳える1泊1室20万円以上、世界一のホテル |
その世界一の数は、イギリスのギネスワールドレコーズが、事務所を置くほど。
・スカイツリー(634m)より、はるかに高い
世界一のビル「ブルジュ・カリファ」 828.9m(2010年開業)
・ホテル単独の建物として世界一高く、価格も高い
世界一のホテル「ブルジュ・アル・アラブ」(1999年開業)
・世界最大のショッピングモール「ドバイモール」(2008年開業)
・世界最大の発電&淡水化装置
・世界最大の人工島「パームアイランド」
エンターテインメントの面でも、世界一の
観覧車・水族館・宇宙からも見える噴水・屋内スキー場……
等々があり、さらに世界一大きいテーマパークなど、
現在も多数の世界一が建設中。
それらが観光の目玉となり、世界中の「富裕な」観光客を集めることに成功しました。
◆観光都市から経済都市へ 空海ハブ戦略
ドバイのワイキキ、ジュメイラビーチも建設ラッシュ |
DWC本部の建物内から撮影 |
急ピッチで開発中の新空港エリア |
観光都市ドバイには、さらにお金が集まり、投資が加速。
今も街のあちこちが、建設ラッシュ。
中でも注目エリアは、最大規模の開発が行われている、経済特区・ジュベル・アリ地区の「DWC」 Dubai World Central
2020年の万博に向け、「ドバイ・エアポーツ戦略計画2020」が制定され、着々と、新空港を中心とした都市開発が進められています。
川崎市ほどの土地に、世界一広い空港、
2020年の万博でも使われる広大な展示会場、物流拠点(倉庫)、ビジネス拠点(オフィス)、住居、レジャー施設(多数のゴルフ場等)が入ります。
一周30km位を車で走りましたが、莫大な敷地でした。
今は、まだ砂漠の部分が多いですが、2〜3年先には超近代的な建物で埋め尽くされることでしょう。
このすぐ近くには、中東最大の「ジュベル・アリ港」があります。
つまり、陸と海の運送をつなげ、
「世界一のハブ」を作って物と人を世界中から集め、世界の中心になろうという戦略なのです。
新空港アル・マクトゥームには、昨秋よりLCCが乗り入れており、
他の路線も徐々に、現在の「ドバイ空港」から移ります。
現在の「ドバイ空港」は、6年で利用者数は倍増していて、
150以上の航空会社が世界260以上の都市と結んでいます。
世界中にある1万もの空港のうち、
外国人利用者数で、2012年は、ヒースロー空港(英)につぎ、
世界第2位の5768万人。
自国民を含めると、アトランタ(9546万人)、北京、ヒースロー、
羽田、シカゴ、ロス、パリ(CDG)、ダラス、ジャカルタに次ぎ、
世界第10位。それを一気に、世界一にするために、
新空港を中心とする一大拠点を開発しているのです。
数年後には、乗降客数1億人以上、世界1位に躍進する見込みです。
当然、ナショナル・フラッグ・キャリアであるエミレーツ航空も、世界中から人を集めるための戦略の一端を担っています。
エミレーツ航空は、機材・サービスを充実し、数々の賞を受賞。
世界一と言われながらも、料金を安く設定しています。
航空業界がリストラした今、全ての大陸の都市に就航している航空会社はわずかですが、エミレーツ航空は、世界中にネットワークを広げています。
元々、東インド会社の中継地でもあり、西洋と東洋のハブとして、
彼らが見据えているのは、シンガポールがカバーする、
インドや中国の他に、MENASA(Middle East、North Africa、Eurasia/Caucasus、South Asia)地域。
これから飛躍的な発展が期待される北アフリカ、資源に恵まれる中央アジアなど、
人口の半分が25歳以下で、今後の10年で最も労働人口が増え、
インフラ構築などの公共投資が見込まれるエリアです。
彼らは、早くも、この巨大市場を見据えているのです。
マリーナ地区には100階建のビルが200以上建ち並ぶ。 |
◆住みたい国No.1
こうして豊かになったドバイでは、国民(約40万人=在住者全体の1割)は、
大学までの教育費、医療費、水道代、エアコン代が無料。
低所得者、寡婦、結婚したカップルには、住宅や給付金がもらえたりと、充実した保障制度があります。
ですから、首長による絶対君主制ではありますが、「アラブの春」の民主化の波の影響はありませんでした。
こうした経済の発展も、安定した治安あってこそ。
ドバイ警察は、ランボルギーニ、フェラーリ、
アストンマーチンなど、スーパーカーを
導入していることでも有名ですが、
スタイルだけでなく、世界でも有数の監視力を持ち、
入国時には手荷物検査がされるほどの警戒態勢で、
私服警官も多く、外国人労働者の間にも、準警官のような人がいるそうです。
犯罪者は国外追放になります。
旅行もしやすい国だと思います。
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起業家・経営者・デザイナー
文房具、化粧品、IT系人材派遣、TV・映画のCG画面製作、動物の衣装製作(あのタレント犬の衣裳も担当)など幅広い事業に従事。
船井幸雄グループ・イリアール株式会社 元代表取締役
株式会社イメージ二アリング 代表取締役
プラチナ万年筆株式会社 取締役
犬・猫の服 「代官山Nahomilly」 オーナーデザイナー
★イリアール株式会社:http://www.honmono.jp/