「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

なんと！　足首の骨を２ケ所、折ってしまいました。
「左腓骨遠位端骨折」

CTの3D画像

広場で段差があるのがわからず、踏み外して、足を捻ってしまい
ふと見ると、足がおかしな方向に曲がっていたので
咄嗟に骨折したかも、と思い、救急車のお世話になり病院へ。
レントゲンで骨折とわかり、ＣＴを撮影。
３ＤのＣＴ画像は、まるで目の前に骨があるかのように、よくわかりました。

医師からは骨に金属を付ける手術を今すぐしましょう、と勧められましたが
ちょうど人材派遣免許の更新手続き中で、急には仕事を休めないので、
シーネという板に足を包帯で固定しただけの状態で５日間。
仕事を何とか、こなしましたが、
実にいろいろな事を（身をもって）学びました。

◆世の中バリアだらけ
歩けない ＝ 移動できない。
すると今まで、当たり前にできていたことが、殆どできなくなってしまいました。

物を取りに行く、トイレに行く、顔を洗う、という事すら大変で
生活の殆ど全てが、一人ではできなくなりました。
もちろん、炊事・洗濯・掃除もできません。
（１人暮らしだったら、どうしたでしょう？）

外に行く時は、車椅子（を押してもらう）、
家の中は、キャスター付の椅子（自力で移動）。
左足を動かせないのでバランスを取るだけでも必死な状態。
そのため、１cmでも段差があると、越えるのが難しいんです。
バリアフリーとよく言いますが、１cmでもバリアになる、と知りました。

一番大変だったのは、トイレ。
拙宅はトイレとバスルームが、一段高くなっているため、
狭いトイレ内に小さな椅子を置き、かなり脂汗をかきながら、
椅子から椅子へと座り替えながら、ようやく……辿り付くのです。
多目的トイレに入った時、なんて絶妙な位置に手すりがあるんだろう！
と感動しました。
（ついこの間まで手すりを付けるなんて邪魔だなとか
オシャレじゃない、と思っていたのに）

トイレが大変すぎて、回数を減らすべく、
飲み物を控えようかな、と考えましたが、
「全く歩いていないので、ふくらはぎのポンプ機能が働かず
水分を控えると血栓ができやすくなってしまうので注意してください」と
病院で言われたことを思い出しました。
いわゆるエコノミークラス症候群ですね。
かくして必死でトイレに行っていますが
まだトイレに行けるだけ幸せだ、と思います。

外出する時は、バリアがあるかどうか、を先に調べるようになりました。
Google mapや食べログなどで、店の前の写真をチェックします。
デパートなどの大きな商業施設は、駐車場も屋内で、通路は平坦、
多目的トイレもあるので行きやすいですが
路面店の殆どは、店の前に段がある事に気付きました。
雨が降りこんでしまうので、道路面から少し上がっているんですね。
また２階以上の店舗は、エレベーターがないと行けないし
雨が降ったら出掛けられない。

そして東京の道は、段差と坂だらけ……
会社の入り口には、段差解消プレートなるものを買って設置しました。
これも、初めて気付いたグッズです。

これまで母の車椅子を押していたのに、
乗る側になって、初めて気付いたことも、たくさんあります。
押している時は、乗っている人の足元が見えないのですが
足の先がドアなど、さまざまな物に当たりやすい、
少しでも傾くと（足を踏ん張れないので）体のバランスが崩れて怖い
歩いている人の眼中に入らず、ぶつかりやすい、などです。
今度、車椅子を押す時には、気を配ろう、と思います。

手術前

◆骨折ケア
骨折から６日目に入院し、骨に金属プレートを付けて固定する手術をしました。
足を２ケ所、合計１０cm以上切る全身麻酔でしたが、
今時は、手術の前日に入院し、手術から２４時間点滴し、翌々日には退院可、ギプスも付けないので、
足はパンパンに腫れていましたけれども、気持ちとしては楽でした。

ベッド上で安静にして筋肉をまったく動かさない状態では、
筋肉の重量が１日で約３％減少するため、麻酔が覚めてからは
トイレも点滴をしながら車椅子で行きました。

帰宅してからは、足の指でグーパーをしたり、
体重を掛けずに軽く足首を曲げ伸ばししたり、
足首が固まらないようにしています。
こうすることで、ギプスで固定していた時代より、回復が早くなったのだそうです。

早く治すコツ
●足を心臓より高く上げる（挙上）こと。
体を起こしている時はできませんが、寝る時は足に枕をします。
●よく眠る
日頃はショートスリーパーの私も疲れるのでよく眠れました。
（睡眠負債、完済かな）
●栄養摂取
カルシウム、コラーゲン、ビタミンをバランスよく、そして
少しでも早く歩けるようにと、「コツナール」を摂っています。

2週間経過

抜糸後、お風呂も入れるようになり
腹筋背筋も鍛えられ、正しい食生活でダイエットもでき
むしろ健康的な生活になりました。

年齢と共に体の衰えを感じていましたが、 骨折してからは、日々体がよくなっていく感覚、自分の中の生命力を実感でき、
生きること、健康、人への思いやりなどについて考える時間がたくさんありました。

精神面では、日々の幸せに鈍感になっていましたが
自分の環境がとても恵まれたものであること、
家族や会社の皆様のサポートがあって初めて生きられることに
改めて気付き、時々足は痛いし不自由ではありますが、感謝する毎日です。
私には、この体験が必要だったのだな……
舩井会長のおっしゃった「必然、 必要、ベスト」
この体験を無駄にせず、これからの人生を過ごそうと思います。