「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

CHANELとＣａｒｔｉｅｒ
世界でもトップのハイブランドと言われる両メゾンが、今、
東京で展示会をしています。
どちらもどなたでも見学できますので、お時間があれば是非。

その１　CHANEL
「MADEMOISELLE PRIVE TOKYOマドモアゼル ブリヴェ展 - ガブリエル シャネルの世界へ」
2015年のロンドンから、ソウル、香港、上海を巡回して東京に来ました。
天王洲アイル　12月1日まで　11時〜20時　予約制　入場無料
お土産にポーチももらえますので、是非、予約してみてください。
予約方法は、LINEから

エキシビジョン見学では、外壁・内装をパリから職人が来日して
仕上げた会場へ入った途端、Gabrielle Chanel（ココ・シャネル）の
クリエイションの世界へワープ。
CHANELの職人技を結集したオートクチュールのドレス、コート、靴、
有名な香水「No.5」の世界55本限定の大きな香水瓶（バカラ製　900ml）、
1932年11月にココ・シャネルが唯一発表したハイジュエリーコレクション
「Bijoux de Diamants」（ダイヤモンド ジュエリー） 等が展示されています。
注目すべきは、説明パネルに書かれた「製作に費やされた作業時間」。
1つのスーツに1020時間！　（時給1000円でも102万円！）
なぜそんなに時間がかかるのでしょう？
私は、その答えをすぐに知ることになりました。
展示会初日、フランスから来日した刺繍担当の職人の方々と共に
大きな一枚の布地に、富士山や東京タワーなど日本をテーマにした絵柄を

刺繍させていただきました	多様なパーツ
オートクチュール

スパンコールやパールなども用いて刺繍するワークショップに
参加する機会を得て、実際に刺繍作業を体験したからです。

CHANELは、伝統的な刺繍をするATELIER LESAGE（アトリエ ルサージュ）
と、立体的な刺繍をするATELIER MONTEX（アトリエ モンテックス）という
2つの刺繍工場を持っています。
このワークショップは、その職人のサヴォアフェール（ノウハウ）を
知ることができる貴重な機会でした。
比べ物にはなりませんが、一応プロとして縫製や刺繍をしているので
日頃からシャネルの縫製技術やマテリアルの扱いに多くの疑問があり、
この機会にと思い切って尋ねてみたら、どんな質問にも答えてくれました。
スパンコール、ビーズ、クリスタルを縫いつける技法には、
フランス刺繍のゆりかごと言われるロレーヌ地方出身の刺繍職人の知識や
リュネビル刺繍の伝統を受け継ぎ、さらに3Ｄ加工など新技法も加えて
いるとのこと。
やらせていただいた刺繍は、細い針で細い絹糸を2本取りし、
机のように張られた布地にパーツを縫い付けていきます。
縫い目の間隔が狭い繊細な作業で、手元を見ずに裏で玉留めをするのは
とても難しかったです。
職人の方々の作業はとても手際良く、この早さでも、1つのドレスの完成に
1000時間以上を費やすということに、とても驚きました。
これだけ手がかかれば値段が高いのは当然だし、一過性の服ではなく、
ずっと保管する価値がある芸術品だと思います。
この時に刺繍した作品は、一度フランスに持ち帰り、
また東京のどこかで展示される予定とのこと。とても楽しみです。

その２　Cartier
「カルティエ、時の結晶」
　国立新美術館　12月16日まで　10〜18時　火曜休
　前売1400円　当日1600円

上記の国立新美術館の展示会と、これに合わせて
新しくなったホテルオークラで開かれたハイジュエリーコレクションに
行ってきました。
創業172年のジュエラー、Cartier。
ヨーロッパ諸国の王室に愛され続けてきた歴史と
世界屈指の職人によるデザインと高度な技術によって、
目も眩むような輝きが宿ったハイジュエリーの数々が並びます。
ダイヤモンドやコランダムはもちろん、アクアマリンやトルマリン、
タンザナイトなどの半輝石など全ての石が美しい光を放っていました。
私は宝石というより、地球や宇宙のパワーの結晶である鉱石のマニア
なので、石を見ていると、とっても楽しくて、ワクワク
その石が、繊細で精巧な細工が施されたプラチナやゴールドに留められ
芸術品に昇華し、それはそれは素晴らしいハイジュエリーでした。

「時の結晶」は、会場構成を新素材研究所の杉本博司氏と榊田倫之氏
が担当され、「ジュエリーは、地球が長い時間をかけて生み出したもの」
ということが実感できる、デザインにフォーカスした展示となっていました。
栃木の大谷石を使った洞窟のような空間で、古美術と共に、
屋久杉や神代杉などを仏師が彫った特注のトルソーに
1970年代以降に作られた現代宝飾品や歴史的作品が置かれた様は
ダイナミックで荘厳な雰囲気です。
少し前に、栃木県宇都宮市大谷町の地下採掘場跡（大谷資料館）
へ行ったばかりでしたので感動もひとしおでした。
本物の「美」を満喫できる展示、是非ご覧ください。