「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

舩井幸雄会長と共通点があるとしたら
仕事が好き　ということ。
私にとって、仕事は、趣味であり、生きがい。
逆に言うと、好きなことや趣味を　全て仕事にしてしまうのがクセ。

そしてどんどん増える仕事量に、自分の能力が見合わない分を
とても長く働いていました。
（以前は起きている時間の　ほぼ全てを仕事に使うほど）

舩井会長は、
「働くことは、お金のためだけではない。
一生懸命に仕事をすれば、働くことが楽しくなり、新しい道が開ける。」
とおっしゃっていました。
本当にその通りと思います。

仕事をすると、新しい知識や刺激を与えられ、
人の言う事をよく聞く、力を合わせる、調べる、学ぶといった機会が増えて
人間性を成長させることにも繋がりますし、
「働いている時間が長い＝遊ぶ時間が無い」ために、お金も貯まります。

働き方改革
ですが私の場合は、少々いきすぎていて
何十年もの間、仕事をずっとしていると、安心できて、
デスクに座って仕事をしていないと不安になる、という状態で
本人は幸せでしたが、他人から見たらワーカホリックだったと思います。

「働き方改革」が進む今、私が帰らないと社員の皆さんも帰れない
と気付き、またスマホとクラウドのおかげで、
いつでもどこでも仕事ができるようになったので、
只今、「わたし、定時で帰ります。」を試行中です。

この連休中も（イリアールは無休で営業していますが）、
仕事以外の事をたくさんする、と決めました。
普段なら、きっと行かない場所や、参加しないイベントに出かけたり、
友達の友達（つまりあまり共通点のない人）と知り合って
未知の世界を教えていただいたり。
自分の幅を広げられるように意識していくつもりです。

令和の時代、日本人の仕事は、大きく転換するでしょう。
２０１６年４月に、このコラムで「デジタル・ディバイド」について書きましたが
ＩＴを使いこなせないと、どんどん格差がつきます。
この記事から２年の間に、スマホがさらに普及し、
ネットでの買い物や、スマホ決済が当たり前になり
インターネットを使わない暮らしは考えられなくなりました。

個人の時代
｢サラリーマンは気楽な稼業ときたもんだ｣の昭和、
「２４時間戦えますか？」で始まった平成、
人口減少から内需が減り、右肩上がりが期待できない令和。

令和では平成にあった職種のうち、半分はＡＩに置き換わり
実店舗や生産の仕事は、なくなっていきそうです。

新聞でラテ欄（ラジオとテレビ欄）しか見ない人が新聞を取らなくなる、
ニュースや記事もＴＶ・新聞・雑誌ではなく、ネットで読む、
ＴＶを見たり録画を見たりしていた時間が、ネットで映画や番組を見る、
現金を使わなくても買い物ができる、
こうした１人１人のちょっとした行動の変化が
新聞配達がなくなり、雑誌が休刊になる、本屋さんがなくなる、
銀行の店舗がなくなる……ということに繋がって
そこで働いていた人が別の仕事に移ることで
個々の職業転換が起き、日本の労働者全体の再編成がされるのです。

今年の「小学生、中学生、高校生のなりたい職業ランキング」で、
ＩＴ系、ゲームクリエイター、YouTuberがランクイン。
しかし、これも一過性かもしれません。
数年後には、今、存在していない職業がランク入りするでしょう。

病気の診断は医師ではなく画像解析で行われるようになるし
株や為替のトレーディングも機械がする。
今まで高度な勉強が必要だった職種もなくなります。

私と同世代のいわゆるサラリーマンは、役職定年を迎え、
仕事や職場を変わらざるを得ない状況にいます。
実際、私の会社で求人を出したら、
応募者は、５０代でかなりの経歴を持つ人が多く、動機は
このまま在席していると、給料が下がってしまう、とか
新しい可能性を引き出すために転職したい、とのことでした。

１９５０年代に始まった終身雇用、年功賃金制は、なくなっていますし
年金はあてにできない。
定型業務はＡＩに取って代わられる。
残業はできない。
令和での働き方は、大きく変わります。
個人の時代の始まりです。

自分の身を守るのは自分。
力のある人には大きなチャンスがありますよ。