「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

明けましておめでとうございます。
皆様は、年始にあたり、どのようなお願いや誓いを立てましたか？

昨年の年頭、私は「話す力」を上げたい、と思いました。
化粧品について、５００名以上のお客様の前でお話したり、
母校で後輩たちにお話をさせていただくこともあるのですが、
そうした一人で話す場は、前準備ができるので何とかなるとしても、
マンツーマンで話す時や、会議で発言する時に、
いろいろ考えすぎて、的確な言葉が出なかったり、
お相手の方に予想外の返答をされると、うまく返せなかったりして
自分の考えや気持ちが、相手に伝わっていないなぁと
感じる事が多々あるためです。

上手く話すことが目的ではなく、相手に伝えることが目的なのですから
根底には、話し方のテクニックより、誠意だ、聞く力だ、と思いつつも、
もっとうまく話せたらなぁ、というところから、
２０１５年は「話す力」をトレーニングしよう、と思いました。

そんな矢先、ＴＶの通販番組への出演依頼が来ました。
「ＴＶの生放送で１時間も話し、その後はインターネットに動画が残る」
これは、かなりのプレッシャーでしたので、
アナウンサーの方に相手役をしていただいてのロールプレイや
カメラリハーサルなどを何度もしました。

そうした中で得た、気づきが、３つあります。

�@相手の話をよく聞いて受けること
ロールプレイの時、相手役のアナウンサーの方が、
「ちょっといじわるをしますね」、と、おっしゃいました。
どんなことが、いじわるかというと、
私の話を受けない、間の取り方がおかしい、
私に話す機会を与えない、などです。

これだけで、リズムが悪くなり、会話が弾まず……楽しくないのです。
つまり、会話を弾ませるには、その逆をすればいいのです。
自分の話を聞いてほしいなら、
相手の話をよく聞き、共感し、時には相手を褒めること、なんですね。
弊社のコールセンターでのお客様との会話を聞いていても、
こちらがテンポよく話せないと、お客様が話しにくいようです。
お客様から評判のよいベテラン社員は、そのリズムがとても上手です。

�A沈黙を怖がらないこと
沈黙が気詰まりで嫌だなぁ、と思うところから
つい、「え〜と」、「あの〜」、と言って繋ごうとしてしまうのですが、
ロールプレイの録画を見たら、これが聞き苦しさの原因であり、
相手が話し出す機会を奪う原因でした。

また、立て板に水のように話し続けるのも、聞き手にとっては辛いこと。
沈黙を恐れないと思ったら、
間を取りながら、ゆっくり話すことができるようになって、聞きやすくなりました。

�B具体的な事例を混ぜること
抽象的な内容が続くと、聞き手は、何を言っているのかわかりません。
そこで、「たとえば……」とか「こういう場合は、」など、事例をあげるように、
と指導を受けました。
録画で確認すると、具体的な話が盛り込まれたことで、イメージが伝わり
格段にわかりやすくなっていました。

話し方のテクニックより、もちろん中身が重要ではあるのですが、
ちょっとしたコツで、日常の会話も、仕事、営業での会話も変わり
コミュニケーション力もアップします。

楽しい会話で、対人関係を良好にし、いい年になりますように！