「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

　昨日まで、台湾（中華民国）へ出張しておりましたので、今回は、現地の友人に教わった、風習などをご紹介します。

　台湾と日本との関係は、ご存じの通りの歴史があります。第二次世界大戦の終戦まで５０年以上、日本統治時代がありましたが、現在、世界で一番の親日と言えると思います。
　日本人が欧米から輸入したものが好きなように、台湾人は、日本製品が好きだそうで、町中には日本製品（日本語）が溢れています。私の友人達もとても日本を愛してくれています。明るくて頭が良くて義理がたく、家族のように付き合える人達です。

日本語そのまま

店頭POPもそのまま

　私達が１００均のお店に行けば、Made in Taiwan　がたくさんあるのに、逆に台湾では、雑貨や化粧品やキッチン道具など、日本からの輸入品がメインで、日本語のパッケージがそのまま使われているのです。漢字はともかく、ひらがなやカタカナは読めるのかしら？　と思いますが、それがカッコイイと、台湾人の私の友人は言ってくれます。
　ＴＶでも、日本のグルメ番組やドラマをそのまま放映しているので、日本の芸能人やレストラン情報に詳しくてビックリします。
　つまり台北には、日本で流行っているもの、流行っているお店は、何でもあるので、まるで国内の地方都市のようです。

「ほんものや」でも扱っている歯ブラシMISOKAも店頭に

　舩井幸雄会長は、台湾最大の食品製造・食品加工・流通などのグループ企業である統一企業の林・元総裁と、とても懇意にされていらっしゃいました。台湾には、統一セブンイレブンライオンズというプロ野球チームがあります。そうです、統一は１９７９年にセブンイレブンを出店。今、人口２３００万人の台湾に約５０００軒、台北では、東京以上の密度で、セブンイレブンがあるほどに発展しています。

　私の友人は、皆、日本語がとても上手で、台湾人であることを忘れてしまうほど。読み書きも全く問題ありません。もちろん、同じように英語もできます。最近は大陸（中国）や欧州ともビジネスをしている人が多く、グローバル化が日本より遥かに進んでいます。超学歴社会と言われるのは形だけでなく、とてもよく勉強している人が多いと思います。
　その彼らに、夢を訊くと、職業や職種を答えるのではなく、「お金持ちになりたい」と答えます。実は子供達に尋ねても、同じ答えなんだそうです。

　そのための願掛けも盛ん。パワースポットもたくさんありますし、風水の考え方も浸透していて、いろいろな風習もあります。特定な宗教を持つ人もいますが、大多数の人は日本人と同じように、お願い事ごと、行事ごとにお参りする場所が違うのだそうです。

　まずは学業の神様。東京の湯島天神のような場所が、「孔子廟」。その名の通り、孔子を祀っています。台北だけでなく、台南などにもあるそうです。日本でも長崎にありますね。
　台北の孔子廟の隣には、「保安宮」があります。「医療の神様」保生大帝を祀っているので、ここでは健康と長寿をお祈りするそうです。

　お金持ちになりたい！

　それならば、商売の神様「行天宮」へ。松江路というビジネス街にある長い塀に囲まれた道教のお寺で、関羽（関聖帝君）を祀っています。塀の周りには占い師がたくさんいます。塀の内側にある木の植え込み。根元は全て丸くなっています。

　なぜでしょう？

　その理由は、木を四角で囲むと……
　困という字になるからです。困らないように、木の根元を囲う時は、丸なんですって！さすが！

塀の内側_木の根元に注目

　「行天宮」でのお参りを一通り全部するには、１時間以上を要しますので常にたくさんの人で賑わっています。
　お願い事は、１回に１つだけ。そのため地元の人は、お願いのたび、毎月のように頻繁に通うのだとか。そして、お願いが叶ったら１年以内にお礼に伺わないといけないとのこと。

商売繁盛、仕事運向上を願う人が訪れます

　参拝方法は、かなりたくさんのマナーやルールがありますが、基本は、自分の名前・生年月日・住所とお願い事を言います。
　日本と大きく異なるのは、「お賽銭」と「おみくじ」です。
　お賽銭箱はありません。ですからお賽銭なしでお願いもできるのですが、きちんとお願いをするには、社務所のような所で、住所と名前と寄付金額をＰＣに登録してもらい、プリントした控えをもらいます。お金には住所や名前を書けないのでどこの誰がお願いしているのか神様はわからないので、こうしたシステムになっているのだそうです。

入口を入った所

　「おみくじ」は、日本のように棒に番号が書いてあり、番号に応じたおみくじの紙をもらうのですが、棒を引く前に、おみくじを引いていいかどうか、神様にお伺いを立てます。
　「行天宮と書いてある手で握れる大きさの赤い三日月型の木」を２つ手に取り、願いを想いながらサイコロのように投げます。裏と表が出ればおみくじを引いてよい、という意味。２つとも表ならダメ。２つとも裏なら神様に伺いを立てることではないということだそうです。３回トライできます。つまり３回以内に表と裏の組み合わせにならなければ、おみくじは引けません。
　さらに、この番号でよいかどうか、同じ方法で神様にお尋ねします。ＯＫが出るまで、おみくじを引き、またお伺い、を繰り返します。（かなり時間がかかりますね。）

　境内には、青い割烹着のような法衣を着た婦人（ボランティアだそうです）が何人かいて、名前を言うと、お線香で「収驚（ショウジン）」というお祓いをしてくれます。悪いものが憑いていたら払って、自分の魂を戻してくれるそうです。無料です。

　台湾情報、続きはまた次の機会に。