「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

毎年、母校（附属中学）に、先輩として話をするよう呼んでいただいて、早10数年。
初めの頃に聴講した学年は、今、30代になっているので、
社会で活躍している人も多いと思います。

私が毎年、話しているのは、
前に書いた通りで

「社会に出ること、仕事をすること、大人になることは、とても楽しい！」
「学校で習う事は何も無駄にならない」
「世の中には、今のあなたがまだ知らない職業がたくさんある」
「時代はどんどん変わるのでフレキシブルに対応しよう。
特に新しい技術の変化を受け入れること」
「夢は叶う！」
ということです。

生徒の方々から、講演前と後にメッセージを戴くのですが
今年も、講演前のものには今までと同じく
・何かに情熱を注ぎたいが、その何かが見つからない
・自分の夢を叶えるための方法を知りたい
というような内容が書かれていました。

そこで、上記の話をし、質疑応答の時間になりました。
すると今年は、いつもと質問が全く違いました。
「ブラック企業とかハラスメントとか、悪いニュースばかり見るのですが
　働くのは本当に楽しいですか？」
「男女差別はありませんでしたか？」

確かに、最近のニュースは、〇〇ハラや、バイトテロ、過労死など
暗い内容ばかり。
こういう事が少女たちに影響を与えているんだ、ということに気付きました。
「ニュースになるということは、それが普通ではないから。
もしそれが当たり前のことだったら、ニュースにならないですよね？」
男女差別については、
「ハラスメントという言葉もない時代、
特に２０代３０代では、〇〇ハラを見聞きし経験もしましたが
今はハラスメントはいけないという意識が広がっているから大丈夫」
と答えた所、みんなの顔に安堵の色が浮かび、私もほっとしました。

もう１つ、ビックリしたことがあります。
後輩には、大学を卒業したら、大企業に就職するといいですよ、
と薦めているのですが
（その理由は、
新入社員研修がしっかりしていて、その後もキャリアアップ制度があり
ビジネススキルが効率的に身に付くこと、
たくさんのセクションがあり、それを知ることで社会の仕組みがわかるから。）
「大企業というと、どんな会社がありますか？」
と尋ねたら、
「LINE」という答えだったことです。
今の中学３年生にとって、LINEが最も身近な企業なんだなあと驚きました。
もちろん、スマホは、ほぼ全員が持っているという事でした。

先日亡くなった堺屋太一さんが、未来予想をいくつも当てていたことは
有名ですが、危惧していらしたのは、少子高齢化で日本の国力が落ちていくこと。

「何もしなかった日本」を変えられるのは、
平成の次の時代を担う、若い人たち。
彼らが希望を持ち、大人になる事、仕事をすることは楽しい、
子供を持ちたい、と思うような雰囲気づくりを
今、私達大人がしていくことが、大切だと思うのです。