「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

ＮＨＫの朝ドラ「あさが来た」が好評ですね。
このドラマで有名になった主人公「あさ」のモデル、広岡浅子（旧姓　三井）さんは、
江戸時代末期に京都で生まれ、幕末から明治維新の激動期、
特に金融機関にとっては、大手機関（両替屋）が次々に倒産した、大変な時代に、
実業家として活躍された方です。

「女に教育は不要、有害無益」という商家の慣習を破って、
簿記や法律、経済を独学で学び、
荒くれ者の多い炭鉱に単身で乗り込むなど、率先して経営にあたり
炭鉱、銀行、生命保険など、それまでには存在しなかった事業を
次々と立ち上げ、成功させていきました。

浅子さんは、加野銀行（実際は加島銀行）に、日本で初めて女性行員を採用し、
次第に女子教育に注力していきます。
ドラマでは、成澤泉（成瀬仁蔵がモデル）と運命の出会いをし、
東京・目白に日本女子大学を創設する様子が描かれるそうです。

私は、この日本女子大学で学びました。
附属からの一貫教育で、
成瀬仁蔵先生の教育理念である三大綱領
「信念徹底」「自発創生」「共同奉仕」が、
いつのまにか心身に浸透しています。

女子校ですが、いわゆる良妻賢母の育成というよりは、
自由な校風で、生徒会や学園祭、運動会（←かなり激しい）、
力仕事も当たり前。

そして、音楽学校のように、音楽に熱心で、
中学ではヴァイオリンが必須でした。

何でもこなしているうちに、人に頼らず、難題にもくじけず、
フレキシブルに対応する術が自然に身に付くからか
結果として、明治３４年（１９０１年）の創立時から、
職業婦人を多く輩出してきました。

創立１２０周年に向け、タグラインとして、“Bloom as a leader.”を定めたとのこと。
「自己の可能性を開花させて、それぞれのステージでリーダーになる」
という意だそうです。

私の場合は、大学を卒業して就職した１９８５年に、
男女雇用機会均等法が改正されたため、
いわゆる総合職として、性別無関係に仕事をしてきましたが、
市川房江氏や、先輩である平塚らいてう氏の活動によって、
女性の参政権が認められ、職業婦人が増え、
現在のように女性が活躍できる社会になった歴史に想いを馳せると、
今の世の中の良くない事に目を向けるばかりではなく、
少しずつでも、いい環境になっていることに感謝しなくては、と思います。

自然豊かな中高キャンパス

舩井幸雄会長は、私にとってメンターであり、「あさが来た」での五代さま。
性別も年齢も経歴も、差別区別することなく、誰にでも謙虚に接し、
即時処理で率先垂範され、さまざまな事を教えてくださいました。

この数年の天変地異や、
先週も書いた、為替・株式・金・オイル相場の大きな
動きの影響が心配される昨今ですが、どんな時代にも変化は訪れるもの、明治維新と比較すれば、今のご時世の変動は、
たいしたことではありません。

毎年、母校（附属中学）に、先輩として話をするよう
呼んで戴くのですが、今年は、それが明日（２月１３日）です。
今年は、どんな困難に遭ったとしても、
「あさ」のようなバイタリティをもって、行動していきましょう。
とお話しするつもりです。