「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

前回に続き、Los Angeles情報です。

進むキャッシュレス化・フィンテック
日本では、日常の買い物をする時に、現金払いをする人が多く、月末や長い休みの前には、銀行のＡＴＭに長蛇の列ができますが、アメリカでは、犯罪防止、偽札問題などから、キャッシュレス化が進み、＄１の買い物にも、現金を使う人は少なく、デビットカードやクレジットカードで支払うのが普通で、現金を持ち歩きません。

クレジットカード使用時は、店員による不正防止のため、客がカードを機械に通し、ＰＩＮ（暗証番号）を入れます。ＰＩＮを設定していないカードは使えない店舗もありました。さらに最近は、現金が使えない店舗もでき始めたそうです。

そもそもアメリカのＡＴＭで、１０万円の現金をおろすのは大変。
日本でも、「ＡＴＭの１日あたりの引き出し限度額」がありますが、アメリカでは、ATM機自体のセキュリティから、機械に多額の現金は入っていないようで、引き出し限度額が５万円くらいと、かなり低い上に、１０万円をおろそうとしたら、本人確認のため、銀行から電話が、かかってきたりします。

中国でも、急速にモバイル決済によるキャッシュレス化が進みました。
世界は、現金不要の社会へと、シフトしていますね。
フィンテック（金融とテクノロジーの融合）が、進むと、銀行や現金という従来の仕組みが様変わりするでしょう。

バリエーション豊富なスーパーマーケット
日本のスーパーマーケット業界は、イオンが３割近いシェアを持ち、セブン＆アイ・HDと合わせると、半分以上を占めています。
私としては、どこも同じような感じで、ワクワクしないのですが
（軽井沢のツルヤさん、東京に進出してくれないかな〜）、
L.A.は、韓国系、日本系など、様々なスーパーがexciting！

人気のスーパーマーケットは、
Costco Wholesale（アメリカではコスコと呼ぶ）、日本未出店のTarget、Trader Joe's（トレジョ）、Whole Foods Market（ホールフーズ）

Costcoは、１９９９年に日本にも出店。
ホールセール（会員制卸売り）のため、お得だけれども量が多く、
少食で核家族の日本に馴染むかな？　と思っていましたが、
すっかり定着しましたね。Targetは、ディスカウント百貨店。
トレジョとホールフーズは、ある意味、Costcoの真逆路線の
こだわりのオーガニックのスーパーです。

日本でオーガニックの店は、価格が高い、オーガニックだけでは品数が少ない、
野菜が萎（しな）びがち、不揃い、虫食いがある、などの点などから、
あまり広がりませんが、トレジョやホールフーズは、価格が高すぎず、
品揃えも豊富で商品ディスプレイがキレイ。
店内に居るだけで、楽しくなります。

トレジョの特徴は、オリジナル商品を安く販売していること。
トランス脂肪酸、人工香料、人工保存料を不使用なのも安心。
日本へのお土産にも最適です。

ホールフーズは、昨年Amazonが買収して話題になりました。
野菜・肉・魚が新鮮！　デリも充実。

ＳＫＵ（※）は、トレジョが約４０００、ホールフーズが３５０００
ＰＢ（プライベート・ブランド）が多いトレジョに対して、ホールフーズの品数は桁違いですが、
店舗を見ていると、差がなく感じるのは、
トレジョが、店員さんのお薦めをイラストでうまく表現したＰＯＰや
試食・試飲、新製品紹介コーナーなどの演出が上手いからかも。
（※ＳＫＵ：Stock Keeping Unit（ストック・キーピング・ユニット）の略で、受発注・在庫管理を行うときの、最小の管理単位）

ＰＢが多い分、利益率が高く、ＰＯＰ専門の人を雇用したり
ディスプレイに凝ったりしているんですね。経営上手！

それを象徴するのが、トレジョの名物の１つ、
１ドル９９セントで売るＰＢのワイン。
瓶は同じでも、中身は都度ワイナリーからハンパ物（？）を
うまく仕入れているからこそ実現する超低価格のため、
その時々で、味が違うのも一興。
すごく美味しいこともあり、集客にも寄与しているようです。

ワイナリー
ワインと言えば。　近年、Californiaは、科学を駆使して
フランス以上のワインを産み出しています。

その理由は……
フランスのワインは、ワイン法による様々な縛りがあり、テロワール（天然の生育環境）を変えてはいけないので、葡萄の木への「水やり」も禁止なため、年による当たり外れが起きますが、
アメリカでは、フランスの当たり年のワインを研究して
土壌や水やり、醸造、熟成を管理しているからです。

昨年１０月、北カリフォルニアのナパとソノマで
東京２３区以上の範囲にわたる山火事が起きてしまいました。
（１日も早い復興をお祈りしています）
代わりに、ワイナリー観光で賑わっているのが、
L.A.からサンディエゴ方向へ車で２時間、
南カリフォルニアのテメキュラ市。
４０軒くらいのワイナリーがあり、どこもレストランや
ウエディング設備を持ち、とても洒落ています。
今回、私は３軒のワイナリーで試飲してきました。

ワイナリーでウエディング。素敵ですね

ワインテイスティングができます

Callawayワイナリーの葡萄畑

１軒目は、「Callaway Vineyard & Winery」
ゴルフクラブで有名な（実は私も使っている）Callawayは
１９６９年から、ここでワインを作ったのが出発点です。
１９７６年にエリザベス女王が、ニューヨークのホテルで
出されたCallawayワインをおかわりをした所から
有名になって成功し、事業売却して、ゴルフクラブを作り、
またもや成功。縁起が良いので、まずはここで乾杯！
とてもモダンでお洒落なワイナリーでした。

次は、「Wiens Family Cellars」
こちらもＶＩＰルームがあり、高級な雰囲気でした。

PONTEワイナリー

そして、この地区で一番評判の良いレストランのある「Ponte Winery」へ。
友人が会員なので、無料で６杯も試飲できました。
会員は月に２本のワインを買わなければならないそうなので、Beverinoという少し甘く口当たりの良いワインをお土産に購入。
レストランも噂通り、景色もお味も接客も素晴らしく
お客様も優雅な雰囲気で、素敵な方ばかりでした。

帰路、サンディエゴ発祥の地、「Old Town」に寄りました。
１７７４年にスペインからの植民地開拓者によって作られ
１８２１年にスペインからの独立戦争で勝利したメキシコの領地となり
１８４８年にアメリカ領となった、歴史がある街で、
今は、１８００年代の建物とメキシコ料理レストランや
アンティークショップが立ち並ぶ、テーマパークのようです。
楽しい街だけれども、何か不思議な気を感じるな、と思ったら
アメリカで１番呪われた家がありました。（行ってませんが）

メキシカンな独特の街、オールドタウン

アンティークショップではアメリカンな雑貨が

さて、次回は、L.A.のトレンディスポットと、トランプについてご紹介します。