「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

２０年位前、私が勤めていた会社のフロアでは
ものすごいパワハラが起きていました。
とてもここには書けない暴言を 大声で毎日、
怒鳴る権力者がいたのです。
まさに、ハマる。
その対象になっている人をかばうと、とばっちりを受けるので、
みんな矛先が自分に向かないように、小さくなっていました。
私を含む同じフロアの他の管理職達も。彼の上司も。

もっと遡ると、私は新入社員の時、上司から、
これもここに書けない位のセクハラを受け、
仕事は大好きだから辞めたくないけれど、どうしたらいいのか悩んでいました。
２年が経つ頃、先輩社員の方々が告発してくださり、
その上司は会社から居なくなりました。

それから数年ほどして。
私は女性初の管理職となり、５０人くらいの課の課長になりました。
当時の社長の発案で、役職で呼ぶのではなく、◯◯さんと呼ぶ習慣が始まりました。

その頃、アメリカに出張する際、男性には、現地スタッフの女性を
連続して５秒以上、見ないように、という注意事項がありました。
相手がセクハラだ、と言ったら、会社は責任を取れないから、という理由でした。

そんな事を経て。
経営者として２０年になりますが、起業してからの私は、
（舵取りをしなければならない部分もあるのでワンマンな所もあるとは思いますが）
この会社を選んで下さった事に感謝し、
年齢性別での区別なく、◯◯さんと呼ばせていただいています。
部署や役職は、役割であって、上下ではありません。

舩井会長を最初に素晴らしい人だなあと思ったのも、
どんな人にも公平にお付き合いされる事でした。
著名人も子供も社員も、全ての人に平等。
雲の上の人と思っていたのに、偉ぶる事なく、過去の自慢もせず、
常にフラットに。すごい方でした。

今でも、社会では女性経営者と言われるし
男尊女卑的な空気を感じる事もあります。
歴史のある業界ほど、そういう所があります。
君付け、ちゃん付け、呼び捨て、という人も多く見かけます。

でも、日本の職場環境は、ここ２年ほどで、かなり変わってきました。
ブラック企業、働き方改革、一億総活躍社会、
という話題がマスコミに取り上げられるようになって、
アメリカに比べたら何十年も遅れているけれど、
日本でもコーポレートガバナンス、コンプライアンスの概念が定着しつつあります。
古い考え、常識を持った人も、少しずつ変わってきているようです。

確かに能力の差やルールの遵守をどれだけできるか、など個人差は在りますが、
それぞれの個性を活かす長所伸展法で、減点法にせず、
トップが公平に査定をし、
年齢、性別、職種、職位に関係なく尊重し合い、助け合えて、
１人１人が働きやすいと感じ、プライベートを充実させられる環境にしていきたいですね。
そうして生産性が上がり、業績が上がれば、◎

それにはトップの考えだけでなく、社内の雰囲気作り、
みんなで気軽にコミュニケーションできる空気感を醸し出す事が大切だと思います。
１人１人の力は大きいのです。