「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

◆渋谷公園通りの５０年
１９７０〜８０年代。
とがったＴＶＣＭやビルの壁画などで、革新的で新しい文化を発信し
最先端のおしゃれスポットだった渋谷ＰＡＲＣＯがある
公園通りを中心とする渋谷は、キラキラ輝いていました。

それから……時間と共に、公園通り沿いの建物は古くなり
かつて多くの人を集めた施設が、軒並み建て直し中。
２００７年に耐震不足で建て直しとなった「ＰＡＲＣＯ Ｐａｒｔ２」は、
今年の春、ホテルに変わり、「ＰＡＲＣＯ Ｐａｒｔ１」「ＰＡＲＣＯ Ｐａｒｔ３」や
前回の五輪後に建てられた渋谷公会堂と渋谷区役所も建替え工事中。
（隣接地に５０５戸のマンションを分譲することで
渋谷区は建築費の負担がゼロだそうです。）

５０年で、こんなにも街は変わるんだ……

１０代２０代は買い物やカフェ通い、３０代はオフィスを持っていた
渋谷公園通りを通るたび、すっかり少なくなった人通りに
寂しい気持ちになっていました。

世界は、この５０年（いや２０年）で、大きく変わりました。
砂漠に次々と高層ビルが建つドバイ。
国の力で、古い街を大きな建物が立つ大都会へ変えていく
北京、上海、蘇州。
一見、表面の石造りを変えないヨーロッパの街並みも
建物の内部は大きく変わっています。

この流れの中、かつての大都市　東京は、
バブル後、「失われた２０年」からの景気低迷や、地権者の細分化などから、
大きな建物は立ちにくくなり、世界のエネルギッシュな街と比較すると
パワーを大きく失っているように見えますが、
再来年、５０年ぶりの五輪を迎える東京は
次の５０年に向けて、どう変わるのでしょうか？

◆新しくなる渋谷ですが・・・
ファッション・飲食・劇場が入っていたＰＡＲＣＯ Ｐａｒｔ１とＰａｒｔ３は、
来秋、再オープン。

渋谷駅周辺は、東急グループが再開発を進め
一帯が、新しい街へと生まれ変わるところです。
２０１２年に、かつてプラネタリウムがあった東急文化会館が「ヒカリエ」になり
上層階のオフィススペースには、ディー・エヌ・エー、LINEが入居しました。
２０１３年３月には東急東横線が地下化し
地上のホームの跡地と周辺に、次々とビル建設が始まりました。
今は、宮下公園のリニューアルも工事も行われています。

先日（２０１８年９月１３日）は、上層階に、ホテルとgoogleが入る
「渋谷ストリーム」が開業しました。
隣の駅である代官山までの線路の跡地（６００ｍもある）も
ホテルや飲食店が入る「渋谷ブリッジ」も順次オープン。
ここには、保育所認定子ども園も入ります。

イリアールは、代官山の駅前にありますので
渋谷から代官山のエリアが活性化することは、もちろん大歓迎！
なのですが……地元民としては、少し不安が残ります……
東急東横線が地下化された事で、代官山駅から渋谷に向かう
線路の跡地に、鳴り物入りで２０１５年にオープンした「ログロード代官山」。
３年経って、旬が過ぎ……キリンビールのブルワリー以外は
集客がかなり厳しいように見えます。

今春、開業した「東京ミッドタウン日比谷」も、開業時はたくさんの人で
入場規制をしていたほどでしたが、今はどうでしょうか？
６０店舗あるテナントが、高い家賃を払い続けられるだけの売上を
維持できるか……が鍵でしょう。
すごい人だかりでも、売れていない店はありましたから。

◆これからの東京
今の渋谷は、あちこちが工事中であっても、
スクランブル交差点や、ファッションビル１０９は
世界中の人で賑わっています。

２０２２年の五輪で、世界の注目を集める「東京」が
その後、発展し続けるためには
１０９や新生ＰＡＲＣＯを擁する「カルチャーの発信地」として、
またIT企業を呼び戻して「ビットバレー」として
渋谷のパワーが再興することが、必須ではないかと思っています。