「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

◆夫婦合わせて８８歳以上ならグリーン車乗り放題
高峰三枝子さんが温泉に浸かって話題になった
国鉄「フルムーン夫婦グリーンパス」のＴＶＣＭを
覚えていらっしゃるでしょうか？

放映されたのは１９８２年のことですが、
この「フルムーン夫婦グリーンパス」は、今でもあります。
毎年、９月１日から発売。
使えるのは１０月〜翌年６月末まで。

ＪＲ全線のうち、普通車はもちろん
新幹線と特急のグリーン車　（「のぞみ」「みずほ」を除く）
Ｂ寝台（２人用個室「デュエット」含む）などを
期間中（連続する５日間、７日間、１２日間）、自由に乗り降りできる
超お得な切符です。
（「大人の休日倶楽部パス」より断然お得）

東北新幹線・北海道新幹線・秋田新幹線の「はやぶさ」「こまち」での
旅行など、企画されるとよいと思います。

夫婦合わせて８８歳以上が対象。
どちらかが７０歳以上ならさらに５０００円引き。
夫婦ではなくカップルでもOKです。
まだ就学していないお子さんがいらっしゃるご家族なら、
未就学児は無料ですので、家族旅行にもいいですね。

◆ご存知ですか？　日本人の平均年齢
「フルムーン夫婦グリーンパス」は、夫婦合わせて８８歳ですから、
同世代カップルなら４０代で対象になります。
それでフルムーンとは！
１９８０年代は、ずいぶん早くシニア扱いでした（笑）。

そういえば、昭和の頃は、３０代で中年と呼ばれていました。
ナイスミドル、ナイスミディも死語になり、
今時は、４０代での出産が増えています。

日本人の平均年齢は、今現在、４６．７歳で、
世界１位です。（２位はイタリア、３位ドイツ）
１９６０年代は平均年齢２０代。若者の国でした。
フルムーンＣＭの１９８２年は３３歳、２０００年には４１．４歳。
２０３６年には５０歳と予測されています。
年々こんなに上がっているんですね。

私は、夫婦どちらかが５０歳以上なら使える
映画館の「夫婦５０割引」をよく利用しますが、その時に
「若いつもりでいても、もうシニアなんだなー」と感じていましたが
日本人全体からすると、真ん中より少し上、という事になります。

５０代は、バリバリの現役世代。
一昔前の年齢感と比較すると、
見た目や健康面もマイナス１０歳は、当たり前。
定年６０歳ではやはり日本全体の経済が成り立ちません。

◆人口減少、高齢化で起こること
こうしたことから起こるのは、さまざまな価値のシフト。
景気に与える影響がとても大きいと思います。

まずは不動産価格。
都会ではオリンピック後に安くなるなど言われますが、
今の問題は、買う人の不動産に対する価値の変化だと思います。
たとえば、田園調布、成城などのお屋敷町は、
環境保全や景観維持の為の憲章があり
建物の高さ制限（実質２階建て）や、敷地の細分化の制限、
敷地を塀ではなく生垣で囲むなど、規定されています。
相続する際に、敷地を分割できない、１人で相続するには維持費が高い
売って現金で分けようとしても高価なため売れない状況で
空き家も増えています。
現代の生活には、こうした駅から遠い大邸宅よりも
駅近で便利なマンションの方が合っていて、価値があるのです。

家具も、一生モノの高級家具より、ＩＫＥＡやニトリなどで手軽に購入し
ライフスタイルに合わせて買い替え。
車はシェア。
服、バッグ、靴、はもちろん、
家電や携帯電話など、製品自体に寿命がありそうなものまで
一時だけ所有して、使わなくなったら、メルカリ、ヤフオク！などで売る
期間所有という考え方に変わってきています。

中古品への抵抗感が無く、こうして流通することは、
人口減少による需要減に加えて、新品の需要が減ることになり、
メーカーを弱体化させますし、税収にも影響があるでしょう。
（個人が有する衣服や生活用品の譲渡による所得は非課税）

国もメーカーも、消費者の価値観の変化を、どう捉えるか？
元号が変わり、消費税が上がる来年は、節目ではないかと思います。