「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

今日は、２０１５年５月３１日まで、限定で公開されている
「Tesekkur ederim」　についてご紹介します。
まずはこちらをクリックして、ご一読ください。

「Tesekkur ederim」　とは？
トルコ語で、「ありがとう」の意。
発音は、テシェキュレデリム。
（日本人には難しいですが、「ティッシュくれ」で通じるようです　笑）

この作品は、講談社の漫画誌「イブニング」と「月刊モーニングtwo」に１０年にわたって連載された「もやしもん」の作者、石川雅之さんによる、日本とトルコ共和国との「ありがとう」の物語です。
日本は太陽を、トルコは月をシンボルに持ちます。
その２つの国の友好の歴史。

漫画は苦手、という方にも、ぜひ最後までお読みいただければと思います。
（私は、「もやしもん」で、菌のことをかなり勉強しました。）
国際問題、法改正と、近年日本の国が変わっていく今、
この作品を通じて、日本とトルコの関係を知っていただき、
「人」と「人」、「国」と「国」、の友情の築き方について、考えて戴けたらと思うのです。

５月３１日を過ぎたら、この作品は無料で読めなくなりますので、
内容をご紹介しますと……。

１８９０年の「エルトゥールル号事件」、
１９８５年の「イラン・イラク戦争時のトルコ航空による邦人救出劇」、
（詳しくは外務省のページをご覧ください。）

そして現在まで続く、相互の友情史を記したドキュメンタリー漫画です。

「人として、目の前の困っている人を助けたい！」という
和歌山県紀伊大島の人々の想いと、村長の決断により、
蓄えていたわずかな食料を供出し、救援した行動力が、
やがてオスマントルコ帝国と大日本帝国を
友情で繋ぎます。
このことは、トルコの教科書に載っており、
殆どのトルコ人が知っているそうです。

イラン・イラク戦争下、イラクがイラン領空の全航空機を
攻撃対象にすると発表した際は、
駐イラン日本大使の野村豊氏と、伊藤忠商事トルコ支店長の森永堯氏 の要請で、トルコ政府オザル大統領と、トルコ航空は、
イランで孤立した２１５名の日本人を自国民より優先して、救出。
そのため、イランに残されたトルコ人６００人は、陸路で逃れましたが、 トルコ国内で、このことについての非難は、全く出なかったそうです。
９０年前の紀伊大島の人と同じように、
ある人は、「日本は友だから」と言い、
ある人は、「当たり前のことをしただけ」と言って。

その後、トルコで１５０００名が犠牲になった大地震が起きた時、
まっ先に義援金を送ったのは、この飛行機の乗客たち。
駐在員を助けてもらった大手企業各社は、支援の輪を全社に広げました。
日本政府も、この１９９９年の２度のトルコ大地震で、
最も迅速的かつ包括的に支援を行いました。

２０１１年の「東日本大震災」では、原発事故のために
多くの国の救助隊が国外退去する中、最後まで救援活動を行ったのは
トルコでした。

１９８８年、伊藤忠、石川島播磨（ＩＨＩ）、三菱重工により、
アジアとヨーロッパを一本の道で繋ぐ、ファーティフ・スルタン・メフメト橋が、
イスタンブールに架けられました。
伊藤忠は日本・トルコ協会（１９２６年設立）の事務局であり、
インフラ・プラント関係のプロジェクトは拡大しています。

国と国、会社と会社の関係。
全ては１人１人の感情と行動によって生まれるもの。
１人では微力でも、自分が変われば、やがて国と国の関係も変えていく。
それは、「ありがとうの連なり」。