「“女船井”と呼ばれる経営者」の幸せになる生き方

このページは、船井本社グループのイリアール株式会社の代表取締役を２００６年から務める（※2022年退任）乗附なほみによるコラムページです。
舩井幸雄が経営術を実践的に教え、“女舩井”と呼んだ唯一の女性経営者です。
経営者として、女性として、舩井幸雄の教えを活かした生活をお伝えしていきます。

前回、書きました通り、衆議院選挙に向かって、日本株が爆騰しています。
１９９６年１１月以来、２１年ぶりに日経平均は２１，０００円台を回復しましたね。
バブルを経て今に至るまで、長い長い不況を経験したことを忘れることなく
株を押し上げた事で、できたお金がうまく廻って、
国民が好況を実感できるようになればいいなと思います。

ところで、先日、奈良と京都へ行く用事があったので、その機会に「国宝」巡りをしました。
京都博物館で開催中の「国宝」展で、
注目が集まっている、国宝。
何点あるか、またどのように定められているか、
ご存知でしょうか？

現在の国宝は「文化財保護法 第２７条」に定められ、文部科学相が指定した１１０１件。
この数は件数ですから、１件で多いと８万点もあるので、点数は、どのくらいあるのか、
わからないほど、あるそうです。
（国宝の無い県（２つあります）など、ミニ知識を調べるのも楽しいです）

この度の「国宝」展は、帝国京都博物館（現・京都国立博物館）が開館した翌月である
明治３０年（１８９７年）６月に、「文化財保護法」の先駆けにあたる「古社寺保存法」が制定されて
１２０周年になることから、開催されています。
「国宝」の発案者は、アメリカ人美術史家であるアーネスト・フェノロサ氏。
ハーバード大学を首席で卒業し、大森貝塚を発見した考古学者で東京大学教授のエドワード・モースの推薦で明治政府に雇われて来日し、東京大学で政治学や哲学を教えていたそうです。
その際、明治政府による廃仏毀釈、また西洋文化崇拝により、破棄の危機にあった日本の素晴らしい美術品の価値に気付き、調査、収集を開始。
この頃のこと、またフェノロサのコレクションについては、
今年７月〜１０月に東京で開催され、１０月〜来年２月に神戸、来年２月〜７月に
名古屋で開催される「ボストン美術館の至宝展」で紹介されています。
まだご覧になっていない方は、先に神戸で「ボストン美術館の至宝展」をご覧になり、
京都で「国宝」展をご覧になると、いっそう理解が深まるように思います。
なぜボストンに、約１０万点もの膨大な日本の美術品があるのか？
その答えを実際にご覧になってください。

さらに、展覧会を楽しむには、 国宝建造物、彫刻所有数でＴＯＰ１の法隆寺、 ＴＯＰ２の東大寺、それに次ぐ興福寺、唐招提寺、元興寺など 奈良を中心に国宝巡りをしてみてはいかがでしょうか？ 博物館のガラスの中にあるものが、 あの場所にあったものなんだ、と分かると、 より鑑賞を楽しめると思います。 法隆寺では年一度のお祭りに遭遇　南大門をくぐる神輿

夢殿へ続く道を神輿が往来

私は、夏に東京で「ボストン美術館の至宝展」を見て、
奈良でたくさんの国宝を見た後に、「国宝」展に行った事で、より楽しむことができました。

法隆寺　国宝・夢殿と、国宝・五重塔

特に印象に残ったのは、薬師寺で貸し出し中になっていた「麻布著色吉祥天像」と
法隆寺の「四騎獅子狩文様錦」。
「四騎獅子狩文様錦」は、１８８４年に文部省図画調査会委員に任命されたフェノロサ氏が、助手の岡倉天心らと、法隆寺の夢殿の秘仏であったご本尊　救世観音像を数百年ぶりに開扉した際に見つかった、ご本尊を包んでいた布。夢殿を見た直後でしたので、このエピソードが、とてもリアルに感じられましたし、天平１１年（７３９年）に創建された夢殿に、遣隋使・遣唐使によるものか、ペルシャやギリシャの影響が見られ、この絹の織物の模様にも、それが感じられたことに、驚きもしました。
この秋、奈良・京都・神戸で、ぜひ芸術に触れてみてはいかがでしょうか？
「国宝」展は、１１月２６日ですが、４期に分かれており、一部、展示品の入替がありますので、
「国宝　金印」を見に、もう一度行きたいと思っています。